著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

荒木貞夫陸相は海軍の国家改造派の要人たちと通じていた

公開日: 更新日:
荒木貞夫陸相は「若い連中の志はわかる」と発言した(日本電報通信社撮影)

 海軍内にあって国家改造運動を進めた中心人物は藤井斉少佐(昭和7年1月の上海事変で戦死。その後、少佐に昇進)であった。藤井は理論を持ち、人望もあり、国家改造の組織として王師会を結成していた。5・15事件の海軍側軍人たちは藤井を仰いでいた。その藤井は生前、のちに決行者となる古賀清志…

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