紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実
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<141>田辺市はアプリコ破産申し立ての説明を「何も言えない」と拒む
田辺市は野崎幸助さんがアプリコに約8億円を貸し付けていたとしてアプリコの破産を申し立てた。だが、その契約書は残っておらず、会社の帳簿上に記されているだけだった。 「アプリコにお金を融資している…
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<140>2019年12月、アプリコ“社長”早貴被告と2人の弁護士を東京地裁に提訴
私はタッグを組んでいる渥美・松永両弁護士と面会し、高齢女性のFさんへの過払い金の返還を巡り、早貴被告の弁護士たちがやったことを詳細に説明した。 彼らは総額1500万円に上る返還金のうち、50…
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<139>相続財産管理人に直談判し抵当権抹消の手続きはようやく終わった
2019年1月、和歌山家庭裁判所田辺支部は、野崎幸助さんの相続財産管理人として和歌山市のK弁護士を任命した。野崎さんの財産がどのくらいあるのかを調べて裁判所に書類として提出するのが仕事である。 …
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<138>質問書で300万円の手数料の返還を促す 信じられない返信が…
2018年9月半ば時点で、早貴被告の弁護士はアプリコと契約していなかった。それでも早貴被告は野崎幸助さんの相続人であり、Fさんからすれば相手方になる。そのFさんから、早貴被告の弁護士が手数料を取るこ…
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<137>計算書も何もない簡素な「合意書」に手数料300万円の不可解
佐山さんが連れてきた弁護士は、早貴被告の代理人であるUとFだった。田辺でお店を営むFさんは、2018年9月18日の午後、彼ら3人と話し合いの場を設けた。会社員をしているFさんの50代の息子も同席でき…
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<136>早貴被告の弁護士は約束した抵当権の抹消をしなかった
かつてアプリコに借り入れがあり、自宅と店舗に抵当権が設定されていたFさんは、銀行から融資を受けられずに困っていた。すでにアプリコに債務はなく、過払い金の返還まで受ける立場で抵当権の抹消は当然であり、…
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<135>知人から寄せられた 野崎幸助さん会社「アプリコ」の過払い金トラブル
2019年1月ごろに私は田辺で知人から気になる話を持ちかけられた。 「去年の秋にアプリコから過払い金を受け取った方がいるんですけれど、どうやら返還金額をごまかされているようだし、約束が守られて…
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<134>弁護士風を吹かせることもなく…同志2人を得た喜び
小料理屋でビールを飲みながら、私は野崎幸助さんの事件の経緯について、渥美・松永両弁護士に説明をしていった。過払い金の不正や遺言の秘密、そしてアプリコの金を持ち出している連中のこと……。それに耳を傾け…
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<133>“無罪請負人”事務所出身の渥美陽子弁護士に相談を持ちかけると…
私は、アプリコの口座から振り込まれた金の流れを追ったり、遺言のウソを見破るために動いたり、アプリコへの過払い金に関する不正を取材したりしていた。2018年10月に「紀州のドン・ファン」のパート3とな…
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<132>マコやんは2019年3月末で野崎さんの会社「アプリコ」をクビになった
「お疲れさまでした」 「なんか釈然としないけど、文句を言ってもしゃあないからのぉ」 2019年4月に入ってから、私は田辺市内の居酒屋でマコやんと向かい合っていた。彼は3月末日で、野崎幸助…
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<131>田辺市が遺産の受け入れを表明 この横暴を阻止できるのは遺族だけ
2018年8月に野崎幸助さんの遺言とされる紙が家裁に出されてから1年近く、田辺市は遺産を受け取るか否かの態度を明らかにしなかった。同年12月に「いごんが入っていた封筒はニセモノだった」という記事が掲…
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<130>凄まじい遺族の怒り「兄が長年築き上げたものを壊すのは許せない」
「オヤジ(野崎幸助さんのこと)は遺言を残すようなタマじゃないよ」 和歌山家庭裁判所田辺支部に「いごん」を提出したMは、通夜の前から周囲にそのように言い放っていたし、私もしっかり耳にしている。そ…
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<129>「いごん」は存在しなかったはずの社封筒でMに郵送された
「これですかね」 野崎幸助さんの遺言が入っていたという封筒を印刷した会社で、応対してくれた社長と一緒に応接室で待っていると、従業員の方がビニール袋に入った金色のアプリコの社封筒を手にしてやって…
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<128>野崎幸助さんの「いごん」に使われた紙、インク、封筒をたどる
野崎幸助さんが書いたとされる「いごん」の真贋について、私は筆跡鑑定以外のアプローチも試みた。 まずは「いごん」が書かれたA4の用紙が何年ごろに製造されたのか年代測定ができないか、製紙会社の知…
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<127>「いごん」には書くうちに左へ流れる野崎さんの“クセ”が出ていなかった
2018年の秋すぎから私の頭を支配していたのは、野崎幸助さんが作成したとされる「遺言」のウソを見破ることだった。 赤色で書かれた「いごん」は、同年8月に和歌山家庭裁判所田辺支部に提出されてい…
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<126>逮捕されたら無効に…? 早貴被告が弁護士と結んでいた仰天契約
野崎幸助さんが亡くなった2018年5月末以降、事件は世間の注目を浴び続けてワイドショーは連日報道する事態となった。 「55歳もの年の差婚から間もなく不審死を遂げた事案ですからね。関心が高く数字…
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<125>早貴被告との面会を弁護士は頑なに拒否「回答は差し控えさせていただきます」
「こんな電話で話すよりも今から会ってお話をしましょうよ」 私は早貴被告の担当のU弁護士にそう提案した。 「いえ、それはできません」 「なぜですか? 会って話した方がお互いに誤解があ…
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<124>守秘義務? 弁護士はアプリコから振り込みの理由を答えなかった
「ボクと会うな、話すなと早貴や従業員に吹き込んでいるんですって?」 私は電話に出たU弁護士に、笑いながらジャブをかましてやった。 「いえ、そんなことはありません。例えばマスコミの方に素人…
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<123>早貴被告の弁護士は、受けてもいない仕事なのに登記の手続きで和歌山に駆けつけた
フライデー編集部からの質問に対し、早貴被告の弁護士による回答書には〈野崎氏の妻は、平成30年7月30日付けで代表取締役及び取締役に就任しており、当該役員就任手続きは、当職らの弁護士としての法的知識及…
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<122>「代表」の法人登記は野崎幸助のまま…早貴被告は未亡人という立場なのに報酬を得ていた
野崎幸助さんの会社「アプリコ」の法人登記は、野崎さんが亡くなった後も全然変わっていなかった。私は毎週のように登記を確認したが、そこには何の変化もなく、代表取締役は「野崎幸助」のままだった。ここに大き…