「多死社会」時代に死を学ぶ
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現役おくりびとに聞く「現代の死」 増える直葬に違和感
第81回アカデミー賞外国語映画賞や第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「おくりびと」(2008年=主演・本木雅弘)は、納棺師を主人公にした重い映画である。 社会的な認知度がまだ低い…
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肉体は死後どのように変化するのか
家族がみとるベッドの枕元で、医師が3本指で脈を測り、脈の完全な停止を確認。聴診器を胸に当てて、心臓停止や目の瞳孔が散大したことを確認し、「ご臨終です」と告げる――。 こんなシーンはひと昔前の…
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医療が介入しないと納得しない風潮に問題がある
老衰死を迎える虚弱高齢者は、数年前から食べても身につかなくなる。それが明らかになっているにもかかわらず、なぜ介護の現場では最後に病院に搬送し、亡くなるまで食べさせよう、飲ませようと努力するのか。 …
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「老衰死」は数年前に予測できる?
高齢者介護とは、ある意味「食べさせる戦い」だ。 「噛めない」「のみ込めない」高齢者を相手にあらゆる努力を惜しまず、チャレンジし、食べていただく。しかし、食べさせてもそれが身にならなければ、介護…
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終末期に胃ろうは必要か?
口から食べられなくなった患者さんのお腹に穴を開け、カテーテルを通して直接栄養剤を送る「胃ろう」。一度つけたらなかなか取り外せない、意識もなく、ただ生きているだけの患者さんをつくるだけ、などの批判があ…
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医療が関わる介護ケア
現在、亡くなる人の「死に場所」はどうなっているのか。厚労省(2013年統計)によると、病院が75.6%、自宅が12.9%、残りは老人ホームや介護・老人保健施設等だという。 「私の印象でも病院で…
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食事、呼吸、排泄が「老衰死」前の3つの特徴
「自然死」(病気や事故以外の老衰死)は、どのようなプロセスをたどるのか。 医学がこれほど発達している中で、実は「自然の摂理」である「老衰死」に関する医療データがほとんどない。死にいたるプロセス…
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亡くなる人の食事 老衰死の人は1週間前に食べなくなる
厚労省の死亡診断書記入マニュアルによると、「『老衰』とは高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用いる」とある。 では、老衰で亡くなる人の食欲はどうなっているのか? …
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「病院死」と「自然死」は何が違うのか?
6人の常勤医を抱え、3つの在宅診療所のほかに訪問介護ステーションや老人介護施設などを運営する医療法人「アスムス」理事長の太田秀樹医師が言う。 「私はこれまで800人以上をみとってきましたが、ご…
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13年後には47万人が「死に場所難民」になる
病室で家族と医師、看護師らに見守られながら、静かに息を引き取る――。 今は当たり前に思える風景が、“ああ、あの頃に亡くなった人は幸せだった”とため息をつく時代が目の前に迫っている。 …
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お金持ちほど健康に 貧富・学歴差が寿命を左右する時代
「多死社会」は今世紀の日本を象徴する社会現象のひとつですが、「健康格差」も深刻化を増しています。健康格差は貧富の差による「心身の不調」や「病気のかかりやすさ」、それらによってもたらされる「平均寿命の差…
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「3大疾病」による死亡は増えているのか
少し前までは、「がん」「心臓病」「脳卒中」は「3大疾病・3大死因」などと呼ばれていました。このうち、脳卒中は2011年に肺炎に抜かれて4位に後退しましたが、今回は3大疾病の一員として扱うことにします…
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21世紀に入り死者数は33%増 がんによる死亡率も24%増
最近、「多死社会」という言葉をよく耳にするようになりました。高齢化が進んだ結果、亡くなる人が急激に増えてきています。具体的な数字をあげましょう。21世紀が始まった2001年のわが国の年間死亡数は約9…