21世紀に入り死者数は33%増 がんによる死亡率も24%増
最近、「多死社会」という言葉をよく耳にするようになりました。高齢化が進んだ結果、亡くなる人が急激に増えてきています。具体的な数字をあげましょう。21世紀が始まった2001年のわが国の年間死亡数は約97万人で、2015年には129万人になりました。約32万人、率にして33%の増加です。しかも、死亡数は今後も増え続け、2040年ごろには年間170万人に近づくといわれています。文字通り「多死の時代」が始まっているのです。今回、死について考えてみましょう。
〈表〉は2015年における死因と死亡率(人口10万人当たりの死亡数)をまとめたものです。死因トップは「悪性新生物(がん)」で、1981年以来ずっとトップに君臨し続けています。しかも、死亡率が上がり続けています。2015年の死亡率(人口10万人当たり295.5人)は、2001年(238.8人)と比べて約24%も上昇しています。ただし年齢別にみると、60歳以下の現役世代では、むしろ減少傾向にあります。その意味で、多死社会を代表する死因とは必ずしも言い切れません。
■多死社会で自殺はむしろマイナーな死因