「親はなくとも子は育つ」なんて言いますが…我々芸人は?
あるところに可哀想な子供がいました。お父さんは外ヅラだけよく、よそでは放蕩三昧なのに生活費は家に入れず、むしろ子供のなけなしのアルバイト代もかすめ取る非道ぶり。お母さんは遊び歩いてて子供に無関心。それでも根が勤勉なその子は独学で一生懸命勉強して有名大学に合格。するとその親父がこう言うのです。「さすが俺の子供だ。やればできるじゃねぇか。やっぱり俺の子育てに間違いはなかった」と。先日の緊急事態宣言解除の記者会見で日本モデルの成功を語られたときにふとこんなことを思い浮かべました。どうも三遊亭鬼丸です。
親はなくとも子は育つなんてことを言いますが、我々芸人は師匠がいないと芸人を名乗れないわけで、しかも自分で師匠を選ぶことができるんですから通常の親子よりは幸せです。私の師匠3代目三遊亭円歌は温厚で放任、それでいてここぞという時に的確な指導や権力を駆使する良いリーダーだったと思います。多分。
多分というのは死んでから3年経ったので私の中での思い出がだんだん美化されてるからでしょう。よその一門はよくわかりませんが、談志一門なんてはたから見てると北朝鮮に自ら亡命してるように見えますよ。あくまでもはたから見てるとですけどね。弟子の皆さんは、きっと談志将軍様に忠誠を誓い苦しみの中に喜びも感じるのでしょう。想像ですけど。