永田町の裏を読む
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菅首相の思考の最大特徴は「希望的観測」という認知バイアス
菅義偉首相の思考の最大特徴は「希望的観測」の連鎖にある。何事につけても、自分にとって都合のいいことが次から次へとつながっていって、最良の結果をもたらすはずだと信じ、国民にもそのように言い続けるのだが…
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大手主要各紙は「メダル最多」と大ハシャギだが…能天気に喜んではいられない
五輪閉会式翌朝の主要各紙の多くは1面で「メダル最多58個」を見出しに立て、日経は2面で同様にした。その中で東京新聞だけはそれを特に押し出さず、スポーツ面の総括記事の中で、金メダルの目標30個に対し2…
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この秋の総選挙で政権交代を引き起こす可能性を明示した雑誌メディア
先週発売の「週刊現代」7月31日号の「10・17総選挙 自民、野党転落」の予測記事は、雑誌メディアらしい丁寧な組み立て方をしていて好感が持てた。 何が丁寧かというと、第1に、与野党の現役議員…
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「小選挙区制25年」で日本が考えるべき政権交代の形
「東京新聞」の別刷りサンデー版には見開き2ページの「大図解」シリーズが長く続いていて、「学校の教材に役立つ」という副題のとおり、時事問題を図版を多用して分かりやすく解説している。 7月25日付…
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「野党連合政権」を明瞭に打ち出せない立憲民主党の限界
7月4日に投開票された東京都議会選挙で一つの注目点は、共産と立憲民主の候補者調整、選挙協力がどれほど功を奏したのかにあった。それ次第で、秋までに必ず行われる衆議院選挙で全国規模で立憲・共産を軸とした…
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海上自衛隊OBが論文を発表 自衛隊サイドから出てきた「沖縄の海兵隊無用論」
自衛隊の外郭雑誌とも言える月刊誌「軍事研究」8月号に「沖縄の海兵隊を除去する3つの理由」と題した論文が載っている。筆者は文谷数重、肩書は「軍事ライター」とあるが、海上自衛隊OBで同誌執筆陣の1人。こ…
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菅首相では「選挙の顔にならない」と示した都議会議員選挙
都議会議員選挙が始まる直前の自民党都連は楽観ムードにあふれていて、私が知る議員はこう見通しを述べていた。 「自民党は前回25議席の大惨敗から倍増で、たぶん50を超える。今回は自公協力が復活した…
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亡くなった立花隆と論争をかわした日々…「ニュージャーナリズム」の震源地で
立花隆が亡くなって、3歳上のこの先輩にいろいろなことを教わり、また時には論争もしたりした私としては、まことに感慨深いものがある。 1970年代半ば、私は駆け出しのフリーライターで、田原総一朗…
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自民党内で乱立する「議員連盟」は権力亡者とゾンビの巣窟
菅義偉首相が七転八倒しつつ五輪強行開催に突き進む姿を横目で見ながら、自民党内ではポスト菅を見込んだ合従連衡遊戯が盛んになっているが、その中でとりわけ不快なのが安倍晋三前首相のハシャギぶりである。 …
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静岡県知事選で問われるリニア新幹線トンネル工事の是非
20日に投開票を迎える静岡県知事選は、現職の川勝平太知事と自民党の新人の岩井茂樹前参議院議員との一騎打ちで、静岡新聞や社会調査研究センターなどいずれの調査を見ても、川勝優勢を岩井が追う展開となってい…
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菅首相にとって「進むも地獄、退くも地獄」のデッドライン
米国の新型コロナ対策の総指揮官であるファウチ国立アレルギー感染症研究所所長は、トランプ前大統領が振りまくフェイク情報を公然と批判し、「バカ者」などと罵られ、辞任圧力までかけられても臆せずにその姿勢を…
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ジワリと増している「自分の言葉で語れる」石破茂の存在感
しばらく音沙汰がなかった感のある石破茂・元地方創生相の存在感が、このところジワリと増している。きっかけは、最近「躁状態」にあるかに見える安倍晋三前首相が26日発売の月刊誌のインタビューで、ポスト菅義…
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一度踏み出したら引き返せないのがこの国なのか
22日に行われた毎日新聞社と社会調査研究センターの世論調査で、菅義偉内閣の支持率が9ポイントも下落して31%、不支持率は8ポイント上昇して59%に達したことを、旧知の自民党中堅議員は深刻に受け止めて…
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日本復帰50年の大きな節目を前に「オール沖縄」の動向は
久しぶりに沖縄を訪れ、来年の沖縄の日本復帰50年という大きな節目に行われる県知事選を中心とする情勢について、山城博治沖縄平和運動センター議長、前泊博盛沖縄国際大学教授と鼎談した。結論を先に言うと、2…
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人口当たりの死者数を見れば五輪開催は不可能ではないか
菅義偉首相が5月7日の会見で、東京・大阪などの緊急事態宣言の成果を問われて「人流の減少という所期の目的は達成できたと考えます」と答えたのには仰天した。緊急事態宣言の目的は感染者数・死者数を抑え込むこ…
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沖縄に必要な21世紀的イマジネーションの「大風呂敷」
5月の大型連休が明けて15日となると、沖縄返還から50周年の1年前の記念日である。私がこれから1年間かけて取り組みたいと思っているのは、半世紀前に沖縄が「祖国復帰」という言い方をして大いに「祝賀」さ…
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日米が結束し“中国の脅威”との軍事的な対決路線を煽る不毛
菅義偉首相が訪米し、バイデン大統領と「自由で開かれたインド太平洋の実現」で一致した。これは誰が見ても中国に対する軍事的包囲網の企てで、実体的には米日豪印の4本柱に加えてASEANや欧州主要国まで味方…
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辻褄あわせ 高齢者接種も“やってるフリ”のワクチン後進国
日経株式欄の人気コラム「大機小機」が9日付で「いつの間に日本は『後進国』に転落したのか」と書いている。デジタル、環境、ジェンダー、人権、財政など、日本が世界平均以下に成り下がっている分野は枚挙にいと…
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「完成の可能性は低い」辺野古にいつまでしがみつくのか
米ジョージタウン大学の「戦略国際問題研究所(CSIS)」が昨年11月に出した報告書で、沖縄・普天間海兵隊基地の辺野古移設について「完成する可能性は低い」と指摘していたことが明らかになった。朝日新聞(…
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空疎な「日米同盟深化」演出で支持率上昇狙う猿芝居の哀れ
菅義偉首相は4月8日からの訪米、バイデン大統領との首脳会談を支持率挽回のきっかけにしようと張り切っていて、そのため、尖閣諸島は日米安保条約の適用対象だと米側に口で言わせるだけでなく、共同文書に明記さ…