新書あらかると
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「総理とお遍路」菅直人著
1100キロ以上もの道のりを歩き通し、四国八十八カ所を巡る「歩きお遍路」。10年の歳月をかけて結願した元総理が、自らの政治人生を振り返りながらその行脚の日々をつづるエッセー。 2004年、民…
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「フリーランスで生きるということ」川井龍介著
若者向けに働き方の選択肢のひとつとしての「フリーランス」の実際を解説する生き方テキスト。フリーランス(free - lance)のもともとの意味は傭兵。現代では主に「自由契約で仕事をする(人)」とい…
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「海と月の迷路」大沢在昌著
昭和34年、警官の荒巻は、「軍艦島」と呼ばれる炭鉱の島の派出所に赴任。5000人以上もの人々が暮らす島で起きるもめごとは、外勤と呼ばれる炭鉱会社の職員が処理し、警察の出番はなかった。赴任から1カ月後…
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「性のタブーのない日本」橋本治著
明治以前の日本には性表現や性に関してのタブーはなく、その代わりにモラルがあったと著者は言う。古事記から、歌舞伎や浄瑠璃、浮世絵などに描かれてきた奔放な性表現を読み解きながら、日本の性文化をたどる異色…
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「いつまでも若いと思うなよ」橋本治著
67歳の著者が、自らの老いの実感を明かしながら、「年寄り」をテーマにつづるエッセー。多くの年寄りにとって、自分の「老い」は他人事のようだと指摘。戦後、「若い方がいい」という単純な一方向の信仰から離れ…
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「となりの漱石」山口謠司著
明年、没後100年を迎える文豪の知られざる素顔を作品や書簡などから読み解く文学エッセー。 漱石は5人の娘の中でも特に四女の愛子を可愛がった。その理由は、胃病を持ちながら甘いものに目がない父親…
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「優しいサヨクの復活」島田雅彦著
原発再稼働や安保法案を機にブラック化した政権にノーを突きつける市民が路上から声を上げ始めた。10万人規模のデモは、実に40年ぶり。この変化の芽を摘み取られないよう、日本の未来を考える機会が継続的に維…
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「世界はこのままイスラーム化するのか」島田裕巳、中田考著
ある研究所の推計によると、世界のイスラム総人口は、15年後に現在の約16億人から22億人近くに急増し、世界人口の26.4%を占めるまでになるという。日本も、移民の受け入れが始まれば、イスラム化は免れ…
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「黒田日銀 最後の賭け」小野展克著
壮大な社会実験ともいえる日銀の異次元緩和を検証する経済テキスト。 異次元緩和は、通貨の価値を傷つけ、堕落させることに本質があり、円の威厳をおとしめ、人々の希求を円から退けることこそが狙いだと…
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「スポーツアナウンサー 実況の真髄」山本浩著
「スポーツは、勝利をめざしてエネルギーを動きに転化する行動の連続」であり、実況の基本は、そのエネルギーのベクトルの変わる瞬間に、ベクトルの起点に言葉でピンを打ち続けるところにあるという。 テレ…
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「フランス人は人生を三分割して味わい尽くす」吉村葉子著
20年間パリで暮らし、子育ても体験した著者が、フランス人の国民性を紹介したエッセー集。 日本とは、文化風俗も対極にあると感じられるフランスだが、意外にも感性は近いという。書名の三分割とは、教…
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「損したくないニッポン人」髙橋秀実著
強迫観念に支配されているかのように「損したくない」と躍起になる自分や周囲の人々の姿を活写しながら、日本の「今」を描き出す面白ノンフィクション。 スーパーの駐車場に車を止めれば、駐車料金を無料…
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「被差別のグルメ」上原善広著
差別されてきた人々の「ソウルフード」を食べ歩き、その独自の食文化に迫るノンフィクション。 路地(同和地区)のソウルフードとして知られる「アブラカス」は、牛の腸をカリカリになるまで炒り揚げたも…
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「江戸の経済事件簿地獄の沙汰も金次第」赤坂治績著
歌舞伎や文楽、落語などに描かれた江戸っ子たちの暮らしぶりを紹介しながら、当時の経済事情を解説した江戸本。 当時の基本は、米本位制だが、次第に貨幣経済の色合いが増す。4代家綱以降、年貢率が下が…
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「文化立国論」青柳正規著
今後、人口減少による経済力の低下が避けられぬ日本が、生活の質を維持・向上させていくには「文化立国」しか選択肢はないと説く提言書。 ユネスコによる、世界遺産への取り組みなどで分かるように、近年…
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「金魚はすごい」吉田信行著
江戸時代から続く老舗金魚屋の6代目が、知られざる金魚の世界を案内してくれるガイドブック。 金魚のルーツは中国で、3~5世紀ごろ、揚子江流域に生息していたフナの仲間が突然変異して「緋ブナ」が生…
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「誤解だらけのマイナンバー対策」萩原京二著
明年1月から施行されるマイナンバー制度への対策を解説したテキスト。 マイナンバー対策を講じている企業は、今年5月の時点でわずか20%足らず。おまけに、マイナンバーが通知されたら、会社は速やか…
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「孤独病 寂しい日本人の正体」片田珠美著
精神科医が、現代人が抱える「孤独」について考察した論考集。 病理的なまでに孤独が深刻化すれば、それは病になると指摘。ライフスタイルの変化による地縁や血縁の希薄化や、社会の無菌化、そしてネット…
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「部落解放同盟『糾弾』史」小林健治著
1922(大正11)年、全国水平社は創立大会で「吾々に対し穢多及び特殊部落民等の言行によって侮辱の意志を表示したる時は徹底的糾弾を為す」と決議。その差別表現糾弾の精神は、戦後の部落解放全国委員会、部…
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「気象庁物語」古川武彦著
明治8(1875)年、東京気象台が10人足らずの陣容で発足。以来140年、その後身の気象庁は、5000人の職員と年間予算700億円を費やし、天気から地震や津波、火山などの自然現象を24時間体制で観測…