新書あらかると
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「宇沢弘文のメッセージ」大塚信一著
著者は、ノーベル経済学賞に最も近いといわれた数理経済学者・宇沢弘文(1928~2014年)に伴走してきた編集者。20世紀後半、宇沢は経済学者としての輝かしい評価を自ら否定する形で、日本社会が直面して…
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「体を壊す食品『ゼロ』表示の罠」永田孝行著
店頭をにぎわす「カロリーゼロ」「糖質オフ」「ノンカフェイン」など食品の「ゼロ」表示のカラクリを解き明かし、こうした食品との向き合い方や、健康的な食事をするためにはどうしたらいいかを説いた健康本。 …
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「戦後の貧民」塩見鮮一郎著
有史以来、庶民がもっとも貧困に喘いだ時代を見つめ直す歴史ドキュメント。 敗戦とともに、国内外の兵隊800万人弱、民間の引き揚げ者300万人による大移動が始まる。着の身着のままで祖国・故郷に戻…
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「悪の力」姜尚中著
60代半ばにして「悪が人の中に巣くい、病原菌のように人の心を蝕んでいく悪の連鎖」を目の当たりにした著者が、悪とは何か、悪とどう向き合えばよいのかを考察した思索の書。 川崎市中1男子生徒殺害事…
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「レイチェル・カーソンはこう考えた」多田満著
レイチェル・カーソンは、半世紀も前に化学物質の生態系や人間への影響を警告した名著「沈黙の春」の著者。「環境問題の古典」ともいわれる同書をはじめ、カーソンの一連の作品を読み解きながら、彼女が次世代に伝…
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「人生を面白くする本物の教養」出口治明著
教養とは「人生におけるワクワクすること、面白いことや、楽しいことを増やすためのツール」だと説く著者が、自らの知的生産の方法のすべてを明かした自己啓発テキスト。 何よりも教養の本質は「自分の頭…
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「東京鉄道遺産100選」内田宗治著
都内に600キロ張り巡らされた路線のうち、JRの6割以上、私鉄でも4割近くの区間が今から100年以上も前に開業したものだという。本書は、沿線の各所に残る鉄道遺産を紹介しながら、その歴史をたどるビジュ…
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「頭がいい人の『好かれる』技術」本郷陽二著
誰からも好かれる人になるためのシンプルな習慣を紹介する自己改革本。 人に好かれる最大のポイントは、相手の立場になって考え、「自分だったら、こんなふうにされたい」と思う行動が取れること。その上…
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「スタア・バーのカクテルブック」岸久著
著者は、銀座で人気の「スタア・バー」を営むオーナーバーテンダー。「IBA 世界カクテルコンクール」で日本人初のチャンピオンに輝き、現代の名工にも選ばれている氏が、日本のバー文化に欠かせないカクテルの…
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「戦争と読書 水木しげる出征前手記」水木しげる、荒俣宏著
今夏、水木がつづった「出征前手記」が見つかり、話題を呼んだ。本書はその手記と復員後に家族に宛てた戦中書簡を完全収録。さらに門弟を自任する荒俣が、その手記から芸術家志望のまだ無名の青年だった若き水木の…
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「内房線の猫たち 異説里見八犬伝」西村京太郎著
酒とケンカに明け暮れる28歳の猫田は、留置場で知り合った小笠原に誘われ、千葉県の館山を訪ねる。小笠原によると、滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」のモデルになった里見家の忠臣の名前には、実は犬ではなく猫の文…
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「人間らしさ」上田紀行著
個人がデータ化される現代のシステム社会にあって、人間らしさとは何か、人間らしい行動や生き方とはどういうことかを考察した教養エッセー。 人類の行動パターンがビッグデータとして蓄積されると、将来…
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「野人力」鈴木光司、鈴木美里著
元祖イクメン作家が、娘の疑問に答えながら語る生き方教本。 いつも「効率が大事」と言っている父だが、使っている携帯は10年以上も前のガラケー。エアコンを買いに行けば、有無を言わさず最安値を選ぶ…
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「心臓の力 休めない臓器はなぜ『それ』を宿したのか」 柿沼由彦著
著者らが発見した心臓の「NNCCS」(非神経性心筋コリン作動系)というシステムについて解説した医学テキスト。 1日におよそ10万回もの拡張と収縮を繰り返す心臓は、多くのエネルギーを消費。エネ…
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「丸山眞男と田中角栄」佐高信、早野透著
「戦後レジームからの脱却」を標榜し憲法改正に乗り出さんばかりの安倍政権を危惧する2人が、戦後日本を代表する知識人・丸山眞男と、国民の生活向上に邁進した政治家・田中角栄の足跡を振り返った対談集。 …
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「AVビジネスの衝撃」中村淳彦著
アダルトビデオの歴史を関係者の証言とともに検証したルポルタージュ。 1981年、動く「ビニ本」のキャッチフレーズでアダルトビデオという新しい産業が始まった。業界一の有名人・村西とおる監督によ…
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「謎解き・津波と波浪の物理」保坂直紀著
謎に満ちた水面の波の性質を解説したサイエンステキスト。波は身近な存在でありながら、数式にすると、大学レベルの数学の力量が必要で、その性質について小中高校では教えていない。本書では、数式を使わず、ネッ…
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「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」西寺郷太著
1985年春、全米のスターがアフリカの飢餓を救うために立ち上がり、作られたチャリティーソング「ウィ・アー・ザ・ワールド」がアメリカンポップスの歴史に与えた影響について考察した音楽エッセー。 …
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「奇食珍食 糞便録」椎名誠著
辺境を旅してきた著者が各地で見聞してきた「食う」「出す」をつづったルポルタージュ。 1980年代、上海で体験したドアも隣とのしきりもない「公厠」(公衆便所)。当時の上海は、空港や駅、デパート…
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「アメリカのジレンマ実験国家はどこへゆくのか」渡辺靖著
第2次世界大戦後のアメリカ社会の変容を読み解くアメリカ論。 まずは、アメリカが日本の戦後をどのように見ているのかを検証しながら、かの国の戦後社会が大切にしてきた価値を考察。かつて日本の左派を…