スポーツ時々放談
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錦織圭はパリ五輪が「花道」になる可能性…全仏OP2回戦途中棄権に隠された意図
テニスの全仏オープンが終盤に入った。 37歳のジョコビッチはロングマッチを2試合勝ち抜いたものの、準々決勝を棄権。その結果、22歳のシナーがイタリア勢初の世界ランク1位になり、21歳のアルカ…
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「記者の目はテレビカメラ9台分に匹敵」厳しかったある野球記者の思い出
大リーグにピッチクロックが導入されたのは試合時間短縮が目的だった。ピュリツァー賞を受賞した野球記者、レッド・スミスはこう言ったそうだ。 「野球がスローで退屈だと思う人、それはその人が退屈な心の…
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錦織圭は相性のいい8月の全米オープンを見据え、時代の急な流れとも戦っている
例年より早い初夏の訪れ、ヨーロッパではテニスシーズン真っ盛りだ。全仏オープンの開幕が迫ったが、ダニエル太郎が面白いことを言っていた。 「サーブを1本だけにして4ゲーム先取(現行は6ゲーム)とか…
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「水原騒動」とは日本のメディアの談話主義がロクでもない人物をのさばらせた結果だ
長嶋茂雄さんの現役最後の1974年、ヨギ・ベラ監督以下、トム・シーバー、ジョー・トーレら「ミラクルメッツ」が来日した。 私がスポーツ紙に入った秋で、試合後、メッツベンチでお茶を濁して席に戻る…
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大坂なおみ 苦手なクレーコートなのに全仏オープンからパリ五輪を狙う理由
桜も開きスポーツの春到来だが、大谷翔平のトラブルでいまひとつ盛り上がりに欠ける。衝撃のニュースだから仕方ない。吹っ切れる話題はないか探ると、大坂なおみがいた――何かやってくれるのではないか。 …
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「順位」から「記録」に方向転換した日本マラソン界の齟齬…東京マラソンのPM問題で浮き彫りに
ランニング誌「ランナーズ」の香港マラソン特集で、市民ランナーの集合写真がめちゃくちゃ明るかった。 男子は3時間、女子は3時間30分を切った地元参加者の賞金が1万香港ドル。約19万円を手にして…
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パリ五輪は女子マラソンの花舞台 観光ツアーのようなレースで活躍すれば日本女子の流れは変わる
マラソンのオリンピック代表選考が最終段階に入った。 昨年秋のMGCで男女各2人が決まり、残る各1人を決めるファイナルチャレンジは、3日の東京マラソンで男子がMGC3位の大迫傑に内定、女子1人…
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スポーツのプロ化を広告代理店に委ねた競技団体と新聞社の変わらぬアマチュア体質
久々に週刊文春を買った。受託収賄で起訴された東京五輪組織委員会元理事、高橋治之被告のインタビューを読んだ。 被告が受け取った金がコンサルタント料か賄賂かはいずれ法にのっとって判断されるだろう…
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男子テニスに「新2強時代」到来もジョコビッチにまだ期待せざるを得ない複雑事情…日本勢は壊滅
日本のテニスはちょっと変わっている。新聞の取り上げ方に顕著で、フェデラーやナダル、セリーナが1面に違和感なく受け入れられる一方、一転してベタ記事にもなる。週初めにはデカデカと報じられ、週末に誰が優勝…
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全豪OPは初戦敗退も…時代は大坂なおみを「多様性の女王」として必要としている
テニスの全豪オープンが行われている。昨夏に出産、1年4カ月ぶりに前哨戦から復帰した大坂なおみは、1回戦で第16シードに敗れた。サービスエース11本、サーブの最高時速191キロでポイント率51%、ウイ…
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青山学院大はなぜ強い? 第100回箱根駅伝で完全Vしかも圧勝のウラ側
第100回箱根駅伝は、青山学院大の完全優勝で幕を下ろした。 速い、速い……だが、閉会式がいつまで経っても始まらなかった。監督会議が揉めた。金栗杯(最優秀選手)の指名に原晋監督が熱く長く異議を…
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米国西海岸を揺らす大坂なおみ 醜聞さえも女子テニス界にプラス効果もたらす存在感
年の瀬は、大谷翔平のドジャース移籍で一色だ。永井荷風が「あめりか物語」に描いたように米国西海岸はいわば古い隣村。ロスにはNBAの八村塁もいるのだが、忘れていけないのは……来る年を賑わすのは間違いなく…
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男女混合リレー競歩は相反する感情が共存する都会的なスポーツ パリ五輪でも注目種目だ
男子テニスの「ネクスト・ジェン・ファイナルズ」がサウジアラビアで始まっている。 6年前にスタートした21歳以下の世界一決定戦で、これまでチチパス、アルカラス、シナーらトップ選手を送り出し、同…
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箱根駅伝「山の神」の時代はもう終わり 勝負のポイントが再び平地へ戻ってきた
箱根駅伝は来年正月に第100回を迎える。 学生スポーツは学制変更や戦争など、世の変化に沿って多様に変化してきた。いまではランナーの胸には各スポンサーのロゴが縫い付けられて、監督が写真誌に追い…
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テニス、マラソンの変化についていけない日本メディアの前時代感
テニスの「木下グループジャパンオープン選手権」は米国の新鋭ベン・シェルトンのツアー初優勝で幕を閉じた。全米大学体協(NCAA)からプロ転向して1年目の21歳で、先の全米オープンでいきなり4強、父ブラ…
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マラソン世界記録続出 厚底シューズで加速するスピード時代は新たな段階に入った
マラソン界がとんでもないことになっている。 9月24日のベルリンで、エチオピアのティギスト・アセファ(26)が2時間11分53秒、これまでの女子の世界記録を一気に2分11秒更新した。男子でも…
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女子やり投げ北口榛花の世界陸上金メダルに思う…選手が国旗をかざす意味の変化
ようやく涼しくなった。夏は大変だった。深夜の世界陸上選手権から早朝の全米オープンテニスと、不規則なテレビ観戦が続き、(どうせ暑くて眠れないが)生活は乱れた。最大の収穫はやり投げの北口榛花だ。 …
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36歳のジョコビッチを支える「鋼の意志」 前人未到のグランドスラム24勝に到達
テニスの全米オープンが終わった。 50年を迎えた男女同額の優勝賞金は約4億4000万円。完全機械化でラインジャッジは消滅し、端の17番コートでマリフアナのにおい……相変わらず話題の多い大会だ…
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「真夏のマラソン」と日本人の「完走の美学」…ひたすらドラマを叫ぶメディアの愚
暑い夏だ。先のオリンピック招致の際、東京都は「8月は温暖で理想的な気候」とプレゼンした。ずいぶんとまあ急速な温暖化である。ウソはいけない。 今年の甲子園はクーリングタイムという小洒落た休憩時…
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無期限活動停止をたった5日で解除…日大に求められるのは学生スポーツへの毅然とした姿
日本大学アメリカンフットボール部の不祥事が波紋を広げている。 部員の大麻所持をめぐり、大学から警察への報告が遅れ、無期限活動停止処分をわずか5日で解除……5年前の危険タックル事件からの体質改…