親方と力士のホンネ「蘇る角言」
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「番付を見ろよ」新入幕・大鵬との対戦前に柏戸は大見えを切った
名古屋場所は関脇豊昇龍が初優勝し、場所後に大関へ昇進した。終盤の後がない状況から、2つの念願を果たした精神力は評価される。 千秋楽、3敗で並んでいた伯桜鵬との一番は別の重圧もあっただろう。も…
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「夢に相撲が出てきて目が覚めるんすよ」曙が見た新大関全休の奈落
名古屋場所はせっかく東西にそろった大関が、2人とも不在で初日を迎えた。場所前に貴景勝が両膝のけがで休場を決断し、秋場所はまたかど番になる。初日の9日朝には新大関霧島が右肋骨のけがで休場届を出し、4日…
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「相撲が正しい方へ行かないんだ」北の湖の不満も押し切った栃若の“おま言う”改革
名古屋場所が7月9日に始まる。新大関霧島の登場もあってにぎわいそうだが、今の大相撲人気がどこからくるのか、まだよく分からない。 立ち合いに待ったをした力士が、正面の審判長にペコンと頭を下げる…
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暑い名古屋の稽古場で弟子を引き締めた「鬼流」二子山親方の活
駆け出しの頃に通った相撲部屋で、今も同じ場所で同じ部屋が続いているのは、もう出羽海部屋と春日野部屋くらいしかない。地方場所も同様で、1980年代後半あたりから、貸してくれる寺が減るなどの事情で、宿舎…
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豊昇龍が北青鵬を攻略した叔父・朝青龍譲りの「まわし切り」
夏場所は4場所連続休場明けの横綱照ノ富士が優勝し、大関陣は貴景勝がかど番を脱して霧馬山改め霧島の昇進も決まるという、日本相撲協会にとっては最良の形で終わった。 上位だけでなく若手も注目された…
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「自分で昇進ムードを盛り上げなくちゃ」千代の富士時代から様変わりした稽古総見の意義
夏場所が14日に始まった。3場所連続全休明けの照ノ富士をはじめ注目力士が多く、中でもかど番で初日を迎えた大関貴景勝、大関昇進に挑む霧馬山の土俵は、番付に欠かせない大関の存在を左右するだけに目が離せな…
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反則適用第1号となった若羽黒の言い分「まげを引っ張っちゃいけないなんて、知ってますよ」
1955年5月、大日本相撲協会(当時)は公認相撲規則を制定し、協会組織に関する規定をはじめ土俵規定、力士規定、決まり手などを定めた。 審判規定には禁じ手として「握り拳で殴ること」「目または水…
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大の里の由来はしこ名の常道 歴史に刻まれた「貴」の文字が物語る角界の盛衰
日体大時に2年連続アマチュア横綱となり、元横綱稀勢の里の二所ノ関部屋へ入門した中村泰輝のしこ名が大の里と決まった。師匠の現役時代に候補だったしこ名だという。中村は年寄名跡にあるため力士に使えないので…
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「押し相撲は相手が引くまで押す」大栄翔の引かない16番、富士桜の信念を思い出す
照ノ富士と貴景勝の休場で横綱・大関不在となった春場所は、14日目まで2敗の小結大栄翔と3敗の関脇霧馬山が千秋楽に優勝を争い、霧馬山が本割、優勝決定戦と連勝して初優勝した。 2番とも大栄翔が立…
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「降格の規則ができていたら楽に取れた」双葉山が明かした“背水の重圧”
不世出の名横綱・双葉山は、時代とともに神格化されてきた感があるが、実は人間味のある逸話が多く残っている。 終戦直後、新興宗教にのめり込み、教団本部で教祖を守ろうと警官と大乱闘になって拘束され…
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記者の電話取材に激怒した魁傑の矜持「私はベストを尽くしているのに…」
コロナ禍の間、多くの取材がリモートで行われてきた。大相撲も、記者が支度部屋に入れず、取組後の談話取材は初場所までリモートだった。 記者が親方や力士との個別のやりとりを、電話やメール、LINE…
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1横綱1大関時代には望まれない 土俵の名脇役だった長谷川ら“最強関脇”の後継者
関脇で強ければ大関になるから「名関脇」はいない、という意見がある。確かに「名関脇」と称される力士は少ないが、その一人が「戦後最強の関脇」と呼ばれた長谷川(のち秀ノ山親方)だった。 幕内在位6…
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若き日の千代大海も口にした宿命「スタミナを考えると四つ相撲も必要かも」
初場所は貴景勝が13場所ぶりの優勝を果たし、照ノ富士の休場で1人になった上位力士の面目を施した。多くの重圧をはねのけ、八角理事長(元横綱北勝海)は「今までで一番価値のある優勝」と評した。 横…
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「あんな相撲のどこがいい相撲だ」豊昇龍にも通じる元横綱・朝潮の戒め
1980年代、高砂部屋に西サモア出身の南海龍という力士がいた。公募で集まった若者の中からスカウトされ、84年秋場所初土俵。87年夏場所で新十両、同年九州場所には幕内へ昇進した。 188センチ…
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「金星はこれを最初で最後にしたい」公約を守った朝乃山に“2度目”の可能性
大相撲の用語には野球、囲碁・将棋、古典芸能などの言葉とともに、一般化したものが多い。しばしば拡大解釈や誤用も広まり、「金星」「横綱相撲」はその代表格だ。 先のサッカー・ワールドカップで日本が…
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番狂わせにドラマあり 多賀竜「連覇なんて狙ってないよ」の一笑が今は昔の平幕優勝
九州場所は阿炎が千秋楽に逆転で優勝をさらった。3場所連続平幕優勝は史上初。年6場所制になった1958年以降、横綱・大関の優勝が1場所(夏場所の照ノ富士)しかなかった年も初めてだ。 平幕優勝は…
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大鵬に勝った佐田の山の自負と屈辱「俺だって横綱だ。インタビューされる覚えはない」
NHKがどうしてもインタビュールームに呼ぶなら、せめて「かち上げが効きましたね」とでも切り出せばいいのに。大関経験者の高安が、転落後に大関を破ったのは九州場所3日目の貴景勝戦で、もう7度目。「おめで…
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高安や稀勢の里も…“腰高の力士”が無理に腰を落とすと攻めるスピードが落ちる
一年納めの九州場所が13日に初日を迎える。照ノ富士の休場が確実で、場所前から優勝争いの展望に関脇以下の名が飛び交っている。 東前頭筆頭の高安もそのひとり。今年はコロナ関連で2場所全休した不運…
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千代の富士の横綱像とウルフスペシャルの由来「勝って騒がれる横綱になろう」
亡くなったアントニオ猪木さんが新しい技を披露したのは、1960年代後半だった。小学生の私たちは、すぐプロレスごっこで試した。前かがみにさせた相手の左足に自分の右足を絡め、左足を相手の首に掛け、左の脇…
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祝賀会で二子山親方がひと言「高谷(隆の里)がいつもお世話になっています」
16日に照ノ富士の横綱昇進、23日には正代の大関昇進を祝うパーティーが予定されている。コロナ禍で延びていたのだが、照ノ富士は秋場所を途中休場したとはいえ膝を心配する声が多いからまだしも、九州場所が5…