生活と健康 数字は語る
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血圧測定 どちらでもいいという寛容な社会の方が住みやすい
24時間の血圧を測ると90%の人は高血圧で治療をした方がいいかもしれないという研究結果があることを紹介しました。しかし現実に降圧薬を飲んでいる人は、70歳以上でも50%強に過ぎません。 かな…
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家庭用血圧計は3000万台売れたが…自宅で測らない選択肢も
家庭用血圧計は日本でも3000万台以上売れているというデータがあります。1人で何台も買っている人もいますから、普及率がどれくらいかは不明ですが、何十%というレベルには達しているのではないでしょうか。…
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薬品メーカーや医療機関は高血圧の人が増えるとうれしい?
高血圧の人が減るのはうれしいことで、増えるのは困ったことだというのが普通の世の中です。しかし、それだけでは成り立たないというのが現実です。現実の世の中は普通でないのが普通だというわけです。 …
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将来より今の快適さ 高齢者にとって血圧よりも重要なこと
高血圧が重要なのは、脳卒中や心筋梗塞のリスクがあるからです。年率数%で起こる脳卒中や心筋梗塞を1年くらい先送りするというのが降圧薬の効果ですが、その効果は1年後、2年後のことで、今の調子とは関係があ…
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降圧薬を飲んでまで「血圧1番」を目指して頑張るべきか?
白衣高血圧の人は血圧が正常の人と比べ、死亡リスクが1.79倍、心臓疾患による死亡リスクが1.96倍という結果を紹介しました。このデータをもう一度別の視点から検討してみましょう。比較の基準になっている…
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上130・下80を基準にすると…世の中の90%以上が高血圧に
ここ数回で紹介している研究は、白衣高血圧も安心していられないという以上に、驚くべき現実を示しています。医療機関や健診会場で測る血圧より、普段の生活の中での血圧を測るほうが、脳卒中や死亡のリスクをより…
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全体の7%しかいない!? 正常血圧の方が珍しい事実
白衣高血圧は全体のどれほどの割合になるのでしょうか。前回紹介した研究では、約10%が血圧の治療をしていない白衣高血圧です。約28%が血圧の薬で治療中の白衣高血圧です。このことから全体の約40%が白衣…
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「白衣高血圧」の人は健康な人より心臓病のリスクが高い
自宅など普段の生活の中で血圧を測ると高くないのに、自宅以外の健診会場や病院、診療所などで血圧を測ると高くなってしまう人がいます。こうした人たちのことを、病院や診療所で医者の白衣を見ると血圧が上がって…
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介護で頻発する高血圧への過剰な心配と低血圧への無頓着
介護の現場でよく起こる事件のひとつに、利用者が「食後意識を失う」「そのせいで椅子から落ちる」というものがあります。大部分の人は横になっていると自然に回復し、元の状態に復帰します。そのため、大きな問題…
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健康な高齢者と介護が必要な高齢者の血圧治療は意味が違う
健康な高齢者と介護が必要な高齢者では、血圧の意味合いが異なります。 健康な高齢者では、血圧を薬で下げることにより、脳卒中や心不全の先送り効果が確かめられています。80歳以上の介護を必要としな…
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介護が必要な虚弱老人が降圧剤を飲むなら注意が必要
高齢者の多くが血圧の薬を飲んでいますが、介護を必要とするような高齢者は注意が必要です。 健康な高齢者であれば80歳以上であっても、降圧薬を飲むことによって脳卒中や心不全を先送りできることがラ…
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がんとの関連が報告されているタイプも…降圧薬の副作用
降圧薬は最も安全な薬のひとつですが、それでもさまざまな副作用があります。「Ca拮抗薬」のむくみや顔面のほてり、「利尿薬」の低ナトリウム血症、低カリウム血症、「ACE阻害薬」の咳などです。しかしこれら…
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値段も種類もさまざま…降圧剤はいろいろな選び方がある
降圧薬として第1選択として使われるのは、利尿薬、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)です。 どの薬がどれくらい使われているかを医療機関が診療報酬を請求するためのレ…
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高齢者は血圧が高いのが当たり前 過半数が降圧剤を飲む
70歳以上では53.8%が血圧の薬を飲んでいるわけですが、何と高齢者では薬を飲んでいない人のほうがマイナーな存在だということがわかります。高血圧と言われて、がっかりしている高齢の方が多いかもしれませ…
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高血圧が減っているのは降圧剤と塩分摂取の影響ではないか
血圧が高い人は同年齢で見ると少しずつ減っていると書きましたが、年齢調整した収縮期血圧140㎜Hg以上の人の割合も、この10年で男性では31.7%から26.1%に、女性は25.8%から20.2%に減っ…
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同年齢の平均値にすると…高血圧患者は増えているのか?
9月11日に国民栄養調査の平成29年の結果が公表されました。ここからはこの新しいデータも利用しながら書いていきます。 20歳以上の収縮期血圧の平均は、わずかに低下傾向にありますが、ほとんど変…
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上の血圧だけが高い高齢者 「理屈」と「事実」に食い違い
高齢者の高血圧の特徴は、下の血圧はむしろ低めで、上の血圧だけが高い「孤立性収縮期高血圧」にあります。 この「高齢者孤立性収縮期高血圧」にどう対応すればいいのか。今から30年以上前の私の最大の…
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上と下の血圧差「脈圧」の数値で高血圧の種類がわかる
上の血圧が年齢とともに高くなるのに対し、下の血圧は60~70歳代を過ぎると低くなることが国民健康・栄養調査でも示されています。この上の血圧と下の血圧の差を「脈圧」と呼びます。あまり聞きなれない言葉で…
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動脈硬化と関係あり 下の血圧が高めの人は血管が柔らかい
前回は上の血圧と年齢の関係を見てきましたが、下の血圧と年齢の関係はどうなっているのでしょう。 再び同じ国民栄養調査の結果です。20歳代の男性の下の血圧の平均は74.3㎜Hg、40歳代で82.…
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平均血圧の目安が「年齢+100」ではなくなった本当の理由
血圧が高いといわれた患者さんから、「若い時は低いほうだったのにどうして今頃になって高血圧になってしまったのか」と質問されることがよくあります。これにはさまざまな要因がありますが、おおざっぱに説明すれ…