上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」
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「旅行」は健康寿命を延ばし、心臓の健康維持にも役立つ
コロナ禍がひとまず落ち着いたことで、今年の夏は久しぶりに旅行に出かけたという人も多いのではないでしょうか。近年、「旅行はさまざまな健康効果をもたらす」という研究結果がいくつも発表されていて、心臓の健…
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“やらなくてもいい”心臓手術を行う医療機関が増えている
心臓手術で使用される人工血管や人工弁といった人工物はできる限り正常な状態の生体組織に設置することが重要だと、前回お話ししました。明らかに病変が残っているような異常な組織に人工物を縫い付けてしまうと、…
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大動脈の手術では予定になかった処置を実施するケースがある
以前、大動脈弁狭窄症の手術を行っている最中、上行大動脈の中にあるプラークと、その下にできた血腫を見つけ、それらを取り除く処置を行ったケースをお話ししました。そのまま放置していたら、いずれ大動脈解離を…
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退職した中高年は心臓病リスクが低くなる…考えられる理由
退職して働くのをやめた中高年は、心臓病のリスクが低い--。今年5月、そんな研究結果が報告されています。 京都大学などの研究グループが、日本をはじめ米国や中国など35カ国の中高年(50~70歳…
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「孤独」が心臓病のリスクをアップさせるのはどうしてなのか
「孤独」は心臓病の発症リスクを大きく上昇させる──。以前から複数の研究で明らかになっている結果が、今年6月、米国であらためて報告されました。 米厚生省が提出した「私たちの流行病:孤独の蔓延と孤…
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心臓手術でも脳を冷やして温度を下げてから実施するケースがある
「脳の温度」を意識することは健康維持に大いに役立つ可能性があると前回お話ししました。通常、われわれが日常生活の中で経験する脳の温度は、35~39度台くらいでしょう。その範囲内で、温度が高くなったら冷や…
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猛暑の健康管理は「脳の温度」を意識して冷やしたい
今年の夏も猛暑が続いています。熱中症への対策はもちろん大切ですが、それとともに健康管理に大いに役立つのではないかと注目しているのが、「脳の温度=深部体温」です。意識して脳にとっての“適温”を維持して…
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心臓を守るために「乳製品」の摂取は効果的なのか
乳製品の摂取は心臓病のリスクを低下させる──。今年3月にそんな研究データが報告されました。 国立がん研究センターが実施している多目的コホート研究で、岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、…
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心臓病のリスク因子「プラーク」は手術中に取り除く場合もある
以前、「ナノボット」と呼ばれるナノメートル(10億分の1メートル)サイズのロボットを患者の体内に注入し、血管内の「プラーク(粥腫)」を取り除く治療法の開発が進んでいる話題についてお話ししました。今回…
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新しい心筋症「TGCV」は診断技術の進歩により明らかになった
「中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)」という心臓疾患があります。体内の余分な中性脂肪が心臓の筋肉(心筋)や冠動脈の細胞内にたまり、心臓肥大や動脈硬化を招いて重症の心不全や狭心症、心筋症、不整脈などを起…
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「必要ない医療」で患者に介入する医療機関が増えている
心臓手術を受けた後は計画的なリハビリが重要で、心機能の低下がない場合は「安静」よりも「適度な運動」がより良好な回復につながる。前回お話しした内容です。 現場でも実際にそうした方針がとられてい…
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心臓にとっては「安静」よりも「適度な運動」が大切になる
入院生活において座っている時間が長い人は、短い人に比べて退院時の身体機能指標が有意に低い──。今年6月、神戸大と早稲田大の研究グループが心臓病で入院している患者353人を対象に行った研究結果を発表し…
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適量のお酒が心臓を守るのは本当なのか ストレス緩和が影響
適度な飲酒をしている人は心臓発作が大幅に少ない--。米国でそんな研究結果が報告されました。マサチューセッツ総合病院の研究グループが約5万3000人(年齢中央値60歳、女性60%)を3.4年にわたり追…
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AIによる診断と治療はいずれ人間の医師を超えるだろう
前回、「ナノボット」と呼ばれるナノメートル(10億分の1メートル)サイズのロボットを患者の体内に注入し、血管内のプラーク(粥腫)を取り除く治療法の研究開発が進んでいるとお話ししました。臨床の現場で実…
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ナノボットでプラークを取り除く治療法が現実になる可能性
1960年代に公開された「ミクロの決死圏」というアメリカ映画があります。脳出血で倒れた患者を救うため、すべての物質をミクロ化させる技術の究極版として、医療チームが乗り込んだ潜航艇を微小サイズにして体…
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ダメージを減らす「心筋保護液」の投与法は進歩し続けている
安全で確実な心臓手術を行うために欠かせない「心筋保護」についてのお話の続きです。 前回まで述べてきたように、心臓を停止させて行う手術では、血流が途絶えることで心筋細胞が障害され、術後に血流を…
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「心筋保護液」はさまざまな試行錯誤の末に確立された
心臓手術において、「心筋保護」が“守りの要”といえるくらい重要であると前回お話ししました。 心臓を停止させて行う手術では、血流が途絶えてしまうことで心筋細胞が障害され、術後に血流を再開しても…
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「心筋保護」は心臓手術の25%を占めるといえるほど重要な要素
安全で確実な心臓手術を行うためには、「心筋保護」が欠かせません。心臓手術全体の25%は心筋保護が占めているといえるくらい大事なもので、手術成績を左右する重要な因子です。 心臓や血管のトラブル…
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脈拍が速いと早死にするという説は本当か?頻脈は心房細動リスク増
脈拍=心拍数が速い人は早死にする──。こんな“説”を耳にしたことがあるのではないでしょうか。厳密には、心拍数は心臓が一定時間内(1分間)に拍動する回数、脈拍は体内の各血管が一定時間内(1分間)に拍動…
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睡眠時無呼吸症候群の治療装置CPAPが心臓を守り若さを保つ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)に代表される「睡眠呼吸障害」は、心臓疾患の大きなリスク因子であることが知られています。今年3月には「循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン」の20…