死なせる医療 訪問診療医が立ち会った人生の最期
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450人以上の死に寄り添ってきた訪問診療医“自らの死に方”
定年退職を機に外科医から訪問診療医に転身した小堀さん。最初の数年間は患者やその家族に求められるまま、最期を迎える頃合いになると病院に搬送し、生き永らえるための措置をしてきた。ところが何人かの患者をみ…
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見直しが4年遅れて「患者の選別」を招いた診療報酬制度
現在の日本は、これまでに経験したことがない高齢化社会に突入している。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」によると、日本の人口は9年後の2029年に1億2000万人を下回り、その36年…
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医者も忌み嫌う「死の現実」自分の身に起こると理解しない
厚生労働省の人口動態調査をもとにした「死亡場所の推移」によると、1951年は病院・診療所での死亡が11・7%だったのに対して自宅が82・5%だった。この割合は1976年になると逆転し、2005年には…
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自分らしい最期を迎えるために死をイメージする
病院に入院し延命措置を受けた上で死を迎えるのがいいのか、在宅で自然な死の過程を受け入れるのがいいのか。小堀さんは、「誰にでも当てはまるような正解はない」と強調する。それぞれの患者や家族の事情によって…
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病院への搬送がプラスに働いた98歳一人暮らしの元女優
自宅で最期を迎えようとしている高齢者に対し、病院に搬送して延命の措置を施すかどうかはケース・バイ・ケース。それぞれの望ましい形で人生を終えるためには、本人の意思や状態、家族の思い、そしてタイミングな…
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患者にとっては負担でも「延命装置」が必要な時もある
「自宅で穏やかに最期を迎えることを希望している人には、たとえ死が間近に迫ってきたとしても救急車を呼ぶことはありません。病院に搬送されれば、医療人の良心にかけて考えられる限りの延命措置を施されるからです…
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政府は推進しているが…「在宅死」は理想の死に方なのか
超高齢社会に突入した日本では、膨張する医療費を抑えるため、病院医療よりも安価な在宅医療への切り替えを推進している。 こうした政府の動きに合わせるように近年は、自宅などの住み慣れた生活の場で家…
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在宅死は全体の1割 「病院で延命」は幸せな死に方なのか
患者の死が間近に迫ってくると、その家族の多くは担当医に、一日でも長く生きられるようにして欲しいと要求する。元のように回復することはないと思いながらも、最後まで手を尽くしてもらう。それが残される自分た…
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在宅医療のキーワードは「神父とうんこ」そう話す意味とは
訪問診療をする小堀さんにはユニホームがある。神父の祭服にならった立ち襟のシャツだ。 「訪問診療医は家族の闇に踏み込むようなところがあります。連絡しても親の死に目に会いにこないとか、救いようのな…
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「生かす医療」を切り替えるターニングポイントがある
新型コロナウイルスの感染爆発を最前線で食い止めているのが医師や看護師だ。彼らは命を救うために全力で取り組んでいる。だが、医療の役割は救命だけではない。訪問診療医として400人以上をみとってきた小堀医…