《東浜巨の巻》「鷹の祭典」の試合中、「このユニホーム洗えますかね?」と言われたワケ
東浜巨
僕が二軍広報時代、いいかげんなキャッチボールをする二軍や三軍選手によく言っていたことがあります。
「おまえら、ただ投げてるだけやん。プロのキャッチボールやないぞ。ほら、あそこで投げてるヤツ見てみい。巨や、東浜巨(34)。相手が構えたところにしかボールが行かないやろ? おまえらときたら、あー、すいませーん、暴投しちゃいましたー、ってそんなんキャッチボールやないぞ」
そんな説教の引き合いに出すくらい、東浜は細かい制球を意識しながら、奇麗に投げていました。
沖縄尚学高時代から注目され、亜細亜大を経て2012年ドラフト1位で入団。17年には最多勝(16勝)のタイトルも取っています。
練習が厳しいことで知られる亜細亜大では1年から活躍。しかも、普通は野手が務めることが多いキャプテンを投手ながら任されたように、性格もしっかりしている。
難点は完璧を追求しすぎてしまうことでしょう。初球はここに投げ、次は変化球をこういう軌道でここに……と考えるのはいいのですが、人間なのでどうしても制球ミスはあるし、甘く入ることもある。それが球数の多さにつながってしまう。「甘くならないように」と意識しすぎて、ボールをひっかけることもあった。だから抑えるにしても球数を要してしまう。