世界卓球男子ダブルス 64年ぶり金メダルのウラに“大魔王”引き立てた「ミスターダブルス」
快挙のウラには、「ミスターダブルス」の存在があった。
25日に決勝を迎えた卓球世界選手権(ドーハ)の男子ダブルスで、戸上隼輔(23)・篠塚大登(21)ペアが、日本としては同種目64年ぶりの金メダルを獲得。相手のケガで準決勝は不戦勝というラッキーも重なったとはいえ、決勝では中国ペアから2勝を挙げた台湾ペアをフルセットのうえ下した。
快挙を成し遂げた「トガシノ」ペアを支えたのが、森薗政崇コーチ(30)だ。かつて、混合ダブルスで伊藤美誠(24)とペアを組み、全日本選手権で2018年度から3連覇を達成。男子ダブルスでは張本智和(21)と組んで23年度の全日本で優勝、大島祐哉(31)とは17年の世界選手権で銀メダルを獲得した「ダブルスのプロ」である。
伊藤とのコンビでは、時に自分のペースを貫き、周囲を翻弄することもあった〝イケイケ〟の逸材の能力を最大限に引き出した。伊藤よりも5歳先輩ながら、主導権を譲ることで、強力なコンビネーションを構築した。
森薗コーチは当時、「美誠がやりやすいように動くのが僕の仕事」としたうえで、試合の間隔が6時間以上空き、伊藤が控室で爆睡していた際には、こう言っていた。