《今宮健太の巻》「1発かました」僕の目を臆さず睨み返した生意気根性に「大物になるかも」
ホークスの遊撃手として、長年活躍する今宮健太(33)。元投手ならではの強肩と守備範囲の広さに定評があります。
初めて見たのは入団1年目の2010年の新人合同自主トレ。明豊高時代は投手として活躍しましたが、ホークスでは最初から遊撃のレギュラー候補として期待されていました。
しかし、僕の最初の印象は「うまいけど雑」。グラブさばきは柔らかいけど、送球した先を見ない。投げてすぐに後ろを向くなど、投げたら投げっぱなしだったんです。
僕はホークスでコーチを務めた森脇浩司さんから「ひとつのプレーは審判がアウトかセーフかをコールして初めて完結する。野手も責任を持って捕球まで見届ける必要がある」という話を聞いていたので、なおさら目についたのかもしれません。
ただ、当時は現役時代に遊撃で活躍した鳥越裕介が二軍監督。今宮の悪癖はすぐに直されるだろうと思い、心配はしていませんでした。
こんな話もあります。今宮を含め、ドラフトで指名された高校生3人がその年の秋季キャンプを見学に訪れた時の話です。僕は球団フロントの簑原孝宏さんに言われ、彼らを案内。それまでは“お客さん扱い”をしていましたが、最後に僕は素に近い口調で彼らにこう言いました。