週末オススメ本ミシュラン
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決起しない“社畜”たちを揺さぶる内部からの告発本
「イトマンは住銀のタンツボです」 テレビ朝日の「久米宏のニュースステーション」に呼ばれて私は当時こう言った。 住友銀行は子会社化したイトマンをタンツボのように扱ってイトマン事件を惹起し…
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価値相対主義が思考停止を生んでいる
かつて「新人類」と呼ばれた世代についての優れた考察だ。 〈相対主義は、60年代から70年代にかけて主に文化人類学や社会学などの学問の分野でひとつの流行となり、その後、日本の知識人にも大きな影響…
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IoTビジネスはIT企業よりアナログ企業にチャンスあり
最近、IoTという言葉をよく聞くようになった。さまざまな機器がインターネットにつながるようになることだ。 インターネットでつながるスマート家電は、例えば、エアコンのスイッチを外出先からスマホ…
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この変わり身は何なのか 20年前の選挙では痛烈な池田大作批判
先日亡くなった自民党の元幹事長、加藤紘一は自民党と公明党の連立に反対して、こう言った。 「熾烈な宗教政党批判を繰り広げた自民党が公明党と連立するとは、あまりにもご都合主義ではないか」 “…
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便所と糞とマズいものの文化社会論
作家・椎名誠氏が若い頃より訪れた世界各国の「糞」と「珍食」について、実にえげつない描写を続ける本であり、ウンコの話が大好きな「少年の心(笑い)」を持っている人にとっては常に「ウヒャヒャヒャ」と笑いた…
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社会の標準からずれると生きにくい日本の現状
とてもユニークな小説だ。主人公の古倉恵子は、子どもの頃から少し変わっていた。公園で死んだ小鳥のお墓を作ろうと周囲の子どもたちが話していても、恵子は、焼き鳥にしようと主張する。 さらにこんなこ…
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雇用が守られるのはたったの1割
今後の経済社会を一番大きく変えるのが、人工知能であることは、間違いないだろう。何しろ、我々の知能をコンピューターが置き換えてしまうのだから、その影響は計り知れない。そのため、人工知能が人間の仕事を完…
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「バカじゃねえのか、安倍晋三は」と言いたくなる
「バカじゃねえのか、この国は」 骨なしクラゲの星浩でなく、物申すジャーナリストの岸井成格がアンカーを務めていた今年の3月8日のTBS「NEWS23」で、福島県の農民、樽川和也が、こう憤怒の声を…
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人間の悪意がどのようにうまれるかがよくわかる
残念ながら、人間には性悪なところがある。しかし、学校教育のみならず会社や役所での教育は、性善説で組み立てられている。それだから、われわれは悪に直面したとき、過剰に傷ついたり、折れてしまったりする傾向…
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なぜ、安倍首相は右翼なのに米国に従順なのかよく分かる
海外メディアはしばしば、安倍総理のことを、ライト・ウイング・ポリティシャン、すなわち右翼の政治家と評している。確かにタカ派の団体からの支持は厚いし、憲法改正の姿勢も鮮明にしているから、右翼と言えない…
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著者だけが知るロッキード事件の真実
ロッキード事件で逮捕されるべきは田中角栄ではなかった。当時、衆議院議長前尾繁三郎の秘書をしていた著者はそう断言して、逮捕を免れた者の存在を明らかにしていく。その過程はまことにスリリングでドラマチック…
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食品に安さを求める消費者側にも問題
食品加工の現場を知り尽くした著者による、外食やスーパーの食品に潜むカラクリをまとめた一冊。本書を読むと、もう外食をしたくなくなり、スーパーに並ぶ数々の食品に対しても疑惑の目を持ってしまい、もはや今の…
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面倒を避ける傾向が強くて社会的不適応を起こしてしまう人たち
最近、人付き合いの苦手な人が増えているように思える。その中に少なからず回避性パーソナリティ障害の人がいる。こういう人は無意識のうちに面倒な問題を避けようとする傾向が強いために社会的不適応を起こしてし…
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「日本はまだ米軍の占領下」は真実だった
日本はいまだに米軍の占領下にある。本書を一言で要約すると、そうなる。「そんなバカな」と思われるかもしれないが、著者はきちんと証拠を示しながら丁寧に論証しているから、これは事実だ。 正直言って…
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母の学会入信を告白した後の著者の舌鋒の激しさ
主に本紙の連載コラムをまとめたこの本に「おふくろを救ってくれた創価学会の会員に問いたい」という一節がある。2014年7月2日付で書かれたものだ。 「公明党の国会議員諸氏に問う。あなた方はいった…
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ネットを炎上させているのはたった1.5%という客観的調査
ネットの「炎上」はもはや日常的過ぎた感はあるものの、この現象については、「暇な人が憂さ晴らしをしている」といった、あくまでも推論の域を出ない形で、炎上させる人の人物像は語られてきた。また、「炎上させ…
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中国政府はウイグル・イスラムを封じ込めるか
宮家邦彦氏(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)は、元外務省のキャリア官僚だ。宮家氏は、外務省でアラブ・スクール(アラビア語を研修し、対中東外交に従事することが多い外交官の語学閥)に属していたが、…
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マイナス金利の「俗論」をばさばさ斬り捨てる
今年1月に日銀が導入したマイナス金利政策は、これまでになかった取り組みだったので、さまざまな誤解や憶測を生んでいる。そうした「俗論」を、ばさばさと斬り捨てていくのが、本書のスタイルだ。 例え…
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反ファッショからファッショに転換した公明党
1975年7月8日の「読売新聞」夕刊に大きく「共産・公明が“歴史的和解”」という記事が載った。「反ファッショで連携」とある。作家の松本清張の仲介で、創価学会と共産党は前年の12月28日に共存を謳った…
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やっぱり住む場所で人生変わるのだ
昨今「地方創生」やら「移住ブーム」などと言われることもあるが、人が集まる「東京」のパワーの強さについて「田舎者が書いた都市礼賛本」である(あとがきより)。著者は石川県出身で、現在東京在住。 …