週末オススメ本ミシュラン
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あと数年でテレビの見方はこう変わる
テレビを囲んで家族が人気のテレビドラマを一緒に見る。50年続いてきたお茶の間の風景が、もうすぐ一変する。その未来の姿を目に映してくれるのが、本書だ。 アメリカの定額制ビデオ・オン・デマンド(…
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侵略戦争の責任を裁かないニッポン人の罪
南京大虐殺のあった1937年に自分がその場にいたら、果たして中国人を殺さずにいられたかという問いを自らに突きつけ、記憶の墓をあばく試みに挑んだ辺見は、「過去がげんざいに追いつき、げんざいを追いこし始…
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白人ではなく中国人が見る日本が重要
今年の流行語大賞を獲得した言葉の一つが「爆買い」である。中国人観光客が大量に家電量販店やブランドショップで買い物をすることを指し、今年の春節以降、観光シーズンになるとテレビは飽きることなくこの風景を…
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ストーカーがエスカレートし信頼と愛情を考えさせられる一冊
本書には、「いなか、の、すとーかー」と「ウォーク・イン・クローゼット」の2作が収録されている。いずれも深い人間洞察に裏付けられた面白い作品だ。 「いなか、の、すとーか」の主人公・石居透は、新進…
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新薬開発に携わったプロの話は具体的で迫力満点
薬の力はすごいと感じたのは、先日、尿管結石で激痛が走ったときのことだった。とにかく痛い。叫んで、のた打ち回るくらい痛いのだ。ところが、事務所近くの診療所で処方してもらった座薬を入れたら、何事もなかっ…
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「仏罰を」とまで批判された公明党の欺瞞を鋭く指摘
戦争法案反対を訴えて国会を取り囲んだ人たちが掲げたプラカードに、 「自民党に体罰を 公明党に仏罰を」 とあった。その通りだと思ったが、自民党と同じか、あるいは、それ以上に公明党の罪は深…
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この本が書くあなたへの罵倒を乗り越えられるか
最近、「移住」が注目されている。移住専門の雑誌が存在したり、日本全国の各自治体が移住者を募るほか、移住生活がいかに素晴らしいものに満ちているかをリポートする「人生の楽園」(テレビ朝日系)が高視聴率を…
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アイデアを引き出すとは、アイデアを書き出すことだ
教科書に書いてあることを正確に記憶し(理解しなくてもいい)、1時間半とか2時間の制限時間内に筆記試験に再現する能力に長けた偏差値秀才とは異なるビジネスの実践に役立つ技法について記されている。一級のビ…
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TPPと戦争法案の裏表
私が池上彰をダメだと思う最大の理由は、彼がTPPに賛成していることだが、10月6日付の大手紙は、まるで池上に説得されたかのように「TPP合意へ」と報じていた。情けない限りである。8日付の本紙が孤軍奮…
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肩から力が抜けたアナキズム研究者
アナキスト・大杉栄を研究する著者による書である。原発や国家、警察権力といったものが個人を征服し、我々はそこに隷属している、と述べる。税金を逃れることはできないし、警察官から職務質問を受けた場合に逃げ…
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これは命懸けの異議申し立てだ
沖縄の現状を分析した秀逸な作品だ。米海兵隊普天間飛行場の移設に伴う辺野古新基地建設をめぐって、沖縄県の翁長雄志知事は、辺野古沿岸埋め立てに関する仲井真弘多前知事の承認に瑕疵があったので、取り消そうと…
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こういう本こそ教養本である
この連載では、あまりマニアックな本は取りあげないようにしているのだが、鉄道マニアは桁違いに数が多いので紹介しても大丈夫だろう。 著者は、ホリプロでマネジャーを務める南田裕介氏。筋金入りの鉄道…
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【特別編】これが一行でヒットを生む法則
キャッチコピーはとてつもなく大切だ。私がそう認識したのは、いまから12年前、自著の「年収300万円時代を生き抜く経済学」が、文庫版も含めると40万部以上の大ヒットとなったときだった。 それま…
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【特別編】首相の背後霊の悪を見極める必要
安倍晋三の祖父で、その背後霊ともいうべき岸信介の悪さが忘れられている。それは不気味な輝きさえ持つ悪さであり、旧満州国に集約される。俗に「2キ3スケ」といい、東条英機、星野直樹の2キと、松岡洋右、鮎川…
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「自分がバカか」がわかる本
「B層」=小泉政権時代、郵政民営化選挙直前に広告代理店が自民党に対し「合意形成コミュニケーション戦略」策定にあたり、投票の重要ターゲットと位置付けた層の人々である。縦軸は「IQ(知能指数)」を表し、横…
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家族の崩壊と愛情が描かれている極上ミステリー
アイスランドは、国土のほとんどが氷河で覆われている人口32万人の小国だ。小国であるにもかかわらず、豊かな経済と高い文化を誇っている。アーナルデュル・インドリダソンは、アイスランドが生んだ国際的に著名…
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名門外資系アナリストが実践している為替のルール
いま、学生や主婦などをターゲットに「必ず儲かる投資の実践法」を紹介するDVDを高額で売りつける詐欺的ビジネスが、大流行している。先日、そのDVDの内容を見る機会があったのだが、驚いたのは、実に上手に…
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単なる「差別ババア」ではないことに気づく
昨今の曽野綾子氏といえば、多くのネットユーザーからは「『出産したら会社辞めろ』と言った婆さん」や「アパルトヘイト容認差別ババア」といったイメージを持たれている。 それは、2013年以降、曽野…
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戦争法案の議論を透視したような慧眼
戦前に武装共産党を指導し、戦後は右翼の黒幕として活躍した田中清玄の「自伝」が抜群におもしろい。現代の古典と言っていいほどである。まず、その「靖国神社」批判を引こう。 「中国から鄧小平さんが来ら…
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あの戦争「外務省善玉説」は本当か
太平洋戦争に関し、外務省は対米英戦争を極力避けようとしたが、陸軍の暴走を押さえることができなかったという印象が強いが、本書を読むとそのような外務省善玉説が間違っていることがわかる。 佐藤元英…