本の森
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「嘘つきのための辞書」エリー・ウィリアムズ著、三辺律子訳
「嘘つきのための辞書」エリー・ウィリアムズ著、三辺律子訳 1975年刊の「新コロンビア百科事典」には、リリアン・ヴァージニア・マウントウィーゼルというアメリカの女性写真家の項目が載っているが、…
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「木が泣いている」長濱和代著
「木が泣いている」長濱和代著 日本の森林率(国土面積に占める森林面積の割合)は68.7%で、フィンランド、スウェーデンに次ぐ世界第3位。世界有数の森林国にもかかわらず、日本で利用される木材の国…
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「スカートと女性の歴史」キンバリー・クリスマン=キャンベル著、風早さとみ訳
「スカートと女性の歴史」キンバリー・クリスマン=キャンベル著、風早さとみ訳 1960年代半ばに登場したミニスカートは、それまでのコルセットやペティコートといった束縛からの解放を促した。その革新…
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「お寺の行動経済学」中島隆信著
「お寺の行動経済学」中島隆信著 我々が行っている経済活動には心理的な要素が働いており、時に不合理な行動が伴う。そうした心理的要素を踏まえて経済活動を分析するのが行動経済学だ。本書は、神社や寺院…
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「塀の中のおばあさん」猪熊律子著
「塀の中のおばあさん」猪熊律子著 2020年、入所受刑者全体に占める女性受刑者の割合は10.6%と、戦後初めて10%を超えた。敗戦直後の1946年は2.2%、平成が始まった89年は4.2%だか…
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「言語の本質」今井むつみ、秋田喜美著
「言語の本質」今井むつみ、秋田喜美著 ぴえん、ぱおん、きゅん……いずれも最近使われるようになったオノマトペだ。オノマトペとは擬音語、擬態語のことで、その定義は「感覚イメージを写し取る、特徴的な…
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「沈黙の勇者たち」岡典子著
「沈黙の勇者たち」岡典子著 1941年10月、ユダヤ人に対する迫害を強めていったナチス政権は、本格的なユダヤ人の収容所への強制連行を始めた。国外への亡命がかなわずドイツにとどまったユダヤ人の一…
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「招かれた天敵」千葉聡著
「招かれた天敵」千葉聡著 レイチェル・カーソンの「沈黙の春」は、刊行後60年以上経た今日でもますます重要性を増している環境問題の古典だ。DDTなどの化学農薬が引き起こすリスクを告発したこの書で…
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「明治のナイチンゲール大関和物語」田中ひかる著
「明治のナイチンゲール大関和物語」田中ひかる著 現在全国で約130万人の看護師が働いている。そのうち9割以上が女性だが、かつて女性の就ける職業が少なかった時代、「看護婦」は女性の職業として広く…
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「妾と愛人のフェミニズム」石島亜由美著
「妾と愛人のフェミニズム」石島亜由美著 「妾」という言葉はいまやほとんど使われないが、明治維新直後の一時期、妻と並んで夫の配偶者としての法的身分を有していた。しかし、明六社に拠る男性知識人たちは…
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「食客論」星野太著
「食客論」星野太著 「食客」とは、他人の家に寄宿し、養われて生活している人のこと。居候あるいは先生の家に住み込み、雑用をしながら食べさせてもらっている書生なども指す。言葉を換えれば、宿主に寄生(…
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「世界を騙した女詐欺師たち」トリ・テルファー著、富原まさ江訳
「世界を騙した女詐欺師たち」トリ・テルファー著、富原まさ江訳 英語で詐欺師はconfidence artistというが、詐欺のエキスパートは文字通り信頼(confidence)を自在に操り、人…
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「終盤戦 79歳の日記」メイ・サートン著 幾島幸子訳
「終盤戦 79歳の日記」メイ・サートン著 幾島幸子訳 著者は、ベルギー生まれのアメリカの小説家・詩人・エッセイスト。ニューハンプシャーの片田舎での1人暮らしをつづった「独り居の日記」は、著者の…
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「からだの錯覚」小鷹研理著
「からだの錯覚」小鷹研理著 机の上についたてを立て、そのついたてで自分の片手を見えない状態にしておく。見えるところには隠れている手と同じ形状をしたゴムの手を置く。机の正面に立った別の人間が見え…
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「私と言葉たち」アーシュラ・K・ル=グウィン著 谷垣暁美訳
「私と言葉たち」アーシュラ・K・ル=グウィン著 谷垣暁美訳 2018年に88歳で亡くなったル=グウィンの晩年のエッセー・書評集。先に翻訳された「暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて」…
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「証し 日本のキリスト者」最相葉月著
「証し 日本のキリスト者」最相葉月著 日本に暮らすキリスト教(カトリック、プロテスタント、正教)の信者は人口の約1.5%、韓国の約30%に比してかなり低い。明治以降、キリスト教関係の教育機関や…
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「女たちの沈黙」パット・バーカー著 北村みちよ訳
「女たちの沈黙」パット・バーカー著 北村みちよ訳 本書冒頭に、ヨーロッパ文学はすべて戦いから始まった、というフィリップ・ロスの「ヒューマン・ステイン」の一節が引かれている。「ヨーロッパ文学がど…
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「マザーツリー」スザンヌ・シマード著 三木直子訳
「マザーツリー」スザンヌ・シマード著 三木直子訳 ジェームズ・キャメロン監督の映画「アバター」には、地下の植物どうしをつなぐ、光り輝く生命を持つネットワークが登場する。その植物どうしをつなぐネ…
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「自転車と女たちの世紀」ハナ・ロス著坂本麻里子訳
「自転車と女たちの世紀」ハナ・ロス著坂本麻里子訳 新型コロナウイルスの蔓延によって自転車の利用者が世界的に急増しているそうだ。温暖化対策、SDGsの面からも、自転車への人気は、コロナ禍の収束以…
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「雑草ラジオ」瀬戸義章著
「雑草ラジオ」瀬戸義章著 1970年代後半、イタリアのアウトノミア運動から生まれた「自由ラジオ」は、その後80年代初めに日本でも国家や企業の規制によらない市民の新しいコミュニケーション手段とし…