今、こんな「昭和の街」が大ブーム
-
立花隆の好物だった小石川「遠州屋」の牛モツ煮込みには、上質な甘みとコクがある
いまだに東京23区中で一番の背の高い文京区役所。その中に文京シビック大ホールがある。公共ホールとしては有数の規模と設備を誇るもの。文京区の民度の高さを感じる、って言い過ぎかな。 そこで仕事を…
-
盛岡「どん兵衛」のたたずまい、料理、酒、人情…NYタイムズのチョイスに納得
仕事で全国を巡っていると、気が付くことがある。それはテレビに取り上げられた商店街は、1年もすると様相がだいぶ変わる、ということだ。 個人商店が減り、どこにでもある大手の店ばかりが幅を利かせ始…
-
北新地のクラブ街の端にたたずむ「天平」の絶品一口餃子…どの客も数十個単位でペロリ
あれは1990年。まだ若くて真面目な会社員だったころのことだ。 バブルが崩壊。営業だったアタシはそれまで電話一本で済んだ仕事が10倍の労力をかけても決まらなくなった。 そんなときに大…
-
大阪・福島「花くじら」には若い人たちがずらり「梅田の方は高い店ばかりでよう行かん」
1970年の大阪万博で唯一記憶に残っているのは太陽の塔と月の石。半世紀以上前、昭和は東京オリンピックから大阪万博と連打して高度成長時代に突入した。さて、同じように連打したものの、どんな未来が待ってい…
-
北千住「千住の氷見」で“係”のお姐さんを味方につけて…安心感の中、大箱酒場の醍醐味と幸福感を味わう
大箱の老舗大衆酒場にはベテランのヤリ手お姐さんが多い。 常連客の顔を見ただけで何を注文するかすでに分かっていて、席に着くと同時に「ホッピー、黒よね」みたいな。たまには瓶ビールでもと思っていて…
-
「ささや北千住」3種類のモツを串に刺した煮込みとホッピーに大満足
誤解を恐れずに言うと、職人や肉体労働者が多い街ほど素晴らしい大衆酒場がある。 これは大衆食堂にもいえること。そもそも大衆と冠が付いていることからして、一般庶民のための店であることの証左であろ…
-
長野市「信州長屋酒場」では外国人グループやカップルまで陽気にお銚子を並べている
3月とはいえ、まだまだ寒い長野の早朝。雪山から吹き降ろす風の冷たさは、東京に暮らすアタシの骨身にしみる。 が、せっかくの長野、善光寺にお参りに行かないわけにはいかない。前回はコロナ禍の終盤。…
-
富山の名店「とんぺい」で熱々のフライに冷え冷えのハイボール…サイコ~過ぎる
1年ぶりの富山。前回は北陸新幹線の話題でテレビなどが派手に特集していた頃だ。 そのときの心残りがひとつ。名店「とんぺい」に行くことができなかったことだ。昨年は松川沿いの桜が満開だったが、今回…
-
赤羽「立ち飲みいこい」で、脳裏に蘇った子供の頃の“角打ち”の思い出
アタシは子供の頃、よく近所の酒屋に使いに行かされた。 店に入ると薄暗い奥の方にオッサンたちがいた。4、5人でいっぱいになりそうな立ち飲みカウンターで、当時は安かったであろう鯨の大和煮などの缶…
-
赤羽の老舗「まるます家」で鯉と鯰を堪能! マダム、カップル、大先輩らで賑わう“サンベロの聖地”
王子、十条とくれば赤羽を外すわけにはいかない。 このところセンベロの聖地として祭り上げられているが、アタシはこのセンベロって言葉が嫌いでね。貧乏くさいし、安く酔えればいいってところが気に入ら…
-
北区十条「大衆酒場斎藤」100年の味がしみ込んだ熱々の肉豆腐に冷えた体が温まる
埼京線に湘南新宿ラインがつながって、横浜方面からも大宮方面に行くことが楽になった。 さいたま新都心にかけて発展する一方、昭和の面影を残す場所が減った。時代の流れと思うしかないのかな。それを実…
-
王子で創業50年の老舗「宝泉」で勝負も…濃い生ホッピーにあえなくKO
前回は東京のイーストサイドを京浜東北線で一気に駆け上がって王子まで行ったけど、王子にはあの荒川線が通っているではないか。 そこで前回のリターンマッチは、巌流島へ向かう宮本武蔵のごとくゆったり…
-
王子「山田屋」の古い酒燗器で燗した日本酒が間違いなくうまいワケ
JR京浜東北線で都内を縦断すると、蒲田、大森などの大田区と王子、十条、赤羽の北区が似ていることに気が付く。 誤解を恐れずにいえば、どちらも柄があまりよろしくない。今は減っただろうが、アタシが…
-
「千束いせや」の天丼のうまさと店の人たちの情に涙腺が緩んだもうひとつの理由
先週、今話題の吉原を歩いたときのことだ。 国際通りからせんわ通りに入り、たこ焼きを買ってから吉原神社に参拝に行った。 が、多くの人でごった返している。休日ということもあるが、ここで初…
-
「にこみ 鈴や」京都の姉小路通り、レトロな玄関灯に照らされた民家で近江牛のモツや伝助穴子を堪能
アタシが関係しているコーラスグループ「フォレスタ」の新春コンサートがロームシアター京都で行われ、1300人を超すお客さまで大いに盛り上がった。この場を借りて御礼申し上げます。 さて、京都での…
-
池袋の古民家酒場「萬屋 松風」でカップルに囲まれ梅見酒を楽しむ
桜で有名な目黒川沿いを散歩していると、すでに一部の桜は芽吹いているではないか。 しゃれたカフェの前の木の細い枝には薄いピンク色の花びらが開いている。梅はもう咲いているんだ……。そういえば昨夜…
-
池袋「みつぼ」サラリーマンと大学生風の隙間でつぶしたてのモツを堪能
アタシが池袋に足しげく通っていたのは、昭和50年代。東口の裏通りの危なっかしい場所に歴史的名画座の文芸坐があったころだ。地上の文芸坐では洋画、文芸地下では主に日本映画を上映していた。 土曜日…
-
根岸の超老舗「鍵屋」では女将さんが酒を一升瓶経由で徳利へ…ふと少年時代を思い出した
アタシがまだ小学1、2年生だったから、昭和40年代初期の話だ。 当時はまだ、量り売りをする店が多かった。肉屋とか総菜屋は今でもそうだが、アタシが祖母の使いでよく行かされたのは酒屋。昔の酒屋は…
-
谷中「乃池」の穴子寿司で蘇る四半世紀前の思い出
このコラムで寿司屋を紹介するのは今回が初めてである。 町を歩きながら、「おや、この店なかなかよさげだな」といったノリで寿司屋の暖簾をくぐることはよほど修業を積んだ達人でも難しい。回転寿司や有…
-
シブイ!「根津の甚八」は築120年以上の路地裏の隠れ家、名物“クリチたまりしょう油漬け”から
2週前の動坂食堂の回を読んでくださった映画好きの方からご連絡をいただいた。 それは昔、動坂食堂の前に映画館があった、というもの。すてきな情報ありがとうございました。アタシの街にもちょっと歩け…