老親・家族 在宅での看取り方
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見知らぬ病院で母を逝かせたくない…何とか家に連れて帰りたい
私たちの診療所で在宅療養をされていた患者さんが、ある時、容体が急変。救急搬送されたことがありました。その娘さんから切羽詰まった口調の電話がかかってきました。 「『何かあったら119番せずに、ま…
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老老介護中の奥さまから電話…私ひとりでは旦那を持ち上げられない
「旦那が転んで私では持ち上げることができないんですが、どうしたらいいですか?」 ある日、1本の電話が私たちの診療所にかかってきました。80代のご主人を自宅で介護する、同じ80代の奥さまからのご…
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末期すい臓がんの58歳男性「まさか自分が延命治療の対象になるとは…」
すい臓がん末期であり腹膜播種と診断された58歳男性が、最近、在宅医療を開始されました。 この腹膜播種という言葉は、一般にはあまりなじみがないかもしれません。胃がんや卵巣がんで亡くなられる方の…
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息子さんが介護に非協力的…傷つける発言が目立つが何とかならないか
「お母さんの介護に対して、息子さんがあまり協力的でないんです」 ある患者さんのご家族について、訪問看護師からこんな相談を受けたことがあります。 「常に患者さんに対して否定的。『寝すぎなん…
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会社員時代は経理担当で几帳面な性格の78歳男性。認知症を発症した今も…
先日、SNSでたまたま見かけた医療関係者によるツイートが、非常に興味深いものでした。 元銀行員の認知症患者さんが、残業中の投稿者に「どこの数字が合わないの? 手伝うよ」。また、元看護師の認知…
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相談電話は患者さんの不安な気持ちを支える“命の電話”
ある日、患者さんから便秘に関する相談の電話(ファーストコール)がありました。 「出してもらった薬を飲み始めてから便秘がひどくて。薬の量を調整できませんか?」 「処方している2種類のお薬の…
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熱中症の相談が多数…暑さを自覚せず自宅で発症したケースも
長雨月となりようやく暦のうえでは秋となりましたが、それでもまだまだ日中は蒸し暑い日が続きます。引き続き熱中症には気を付けていただきたいと思います。 今年の夏は熱中症に関する相談が少なくありま…
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20年間ひきこもりの60代男性「自宅にだれかを入れるのは怖い」
「人が怖いので、下を見ながら話していただけませんか? あと自宅にだれかを入れるのは怖いので、診療に来ていただける車の中や、うちの庭で診療を受けられませんか」 20年間ひきこもり生活を送りながら…
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自分の意思に基づき自分のペースで…在宅医療の最大のメリット
訪問診療の最大のメリットはなにかといえば、それは患者さんが自らの意思に基づき患者さんのペースで治療が行えるということです。 例えば急に痛みが強くなり痛み止めの麻薬を使用したいと思った場合に、…
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夫は家にいるのが好きな人…その家で自然体で死んでいければいい
「昨日血液を採ってもらって治療はお任せしますと言いましたが、苦しみをなくすような感じでいいので、改めて延命につながる治療はしない方向でお願いします」 在宅医療を開始してしばらくしたある日、きっ…
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41歳の息子を看取る覚悟を決めた母親「本人は受け入れているみたい」
肝硬変を患う41歳男性の患者さんが、両親が住むご実家で先日から在宅医療を開始されています。 肝硬変の原因はさまざまです。日本で多いのはB型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスが原因のもので、特にC…
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元開業医の80代患者への訪問診療を通して学んでいること
先日から、フレイル状態の80代前半、元開業医の患者さんへの訪問診療を開始しています。 この方は町の診療所として40年の長きにわたって地域に寄り添い、外来をしながら時には訪問診療にも出られてい…
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「玄関ドアの郵便受けに新聞がたまっている」は重要な情報
新人スタッフが入ると、必ず教えることのひとつが「患者さんの自宅を訪れる際は、さまざまなことに目をむけるように」です。ADL(日常生活動作)のレベルが、生活環境から見て取れるからです。それは時に、言葉…
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あんな真っ白なところに行ったら調子悪くなる…90代独居男性は受診を断固拒否
「病院に行きたがらなくて困っています。そちらで診てくれませんか」 7月のある暑い日のことでした。新宿区内にある地域包括支援センターからそんな連絡が我々の診療所に届きました。 連絡をいた…
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放置れされがちな皮膚疾患 特に高齢者ではQOLに大きな影響が
訪問診療先では寝たきりの患者さんも多いですから、床ずれ(褥瘡=じょくそう)や血流悪化による足の壊死(えし)に対応することは日常的です。また、高齢の方では、足腰の手術などをきっかけに歩き方に癖ができ、…
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「ものにときめいて刺激を受けられるなんて今のうちよ!」83歳の女性患者からのアドバイス
訪問診療の現場ではたびたび人生の先輩方からアドバイスをいただきます。 「私なんてもう切り干し大根みたいになっちゃった! 時間の流れはあっという間よ~。ものにときめいて刺激を受けられるなんて若い…
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余命1年…家族の希望で本人には末期と悟られないように療養
病気や手術の後などでどの程度で回復するのか、それともしないのかなど、その見通しを指す言葉に「予後」という言葉があります。「予後が良い」といえば順調に回復していくことを意味し、「予後が悪い」場合は、後…
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在宅医療は医療界のバーリトゥード…「なんでもあり」が特徴
昭和の後半まで、家族を自宅で看取ることが一般的でした。しかし医療の進歩や医療政策、社会構造の変化などにより、いまや入院先の病院、介護やレクリエーションが充実した施設での看取りが一般的になっています。…
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これまでの人生を振り返る…思い出の「棚おろし」のお手伝い
訪問診療をする中で、私たちにとって人生の先輩ともいえる患者さんやご家族の方々から貴重なお話を伺うことがあります。 90代や80代後半の方には、戦時中の記憶をはっきりとお持ちな方が少なくありま…
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「緩和」には適切な調整が必要…痛みとの付き合い方は人それぞれ
患者さんの痛みをできるだけ取り除くことは、訪問診療の中でも非常に重要なことのひとつです。痛みがあるだけで、患者さんのQOL(生活の質)が大きく下がり、自宅での療養自体を難しくすることもあるからです。…