末期すい臓がんの58歳男性「まさか自分が延命治療の対象になるとは…」
すい臓がん末期であり腹膜播種と診断された58歳男性が、最近、在宅医療を開始されました。
この腹膜播種という言葉は、一般にはあまりなじみがないかもしれません。胃がんや卵巣がんで亡くなられる方の半数近くが、この腹膜播種による症状だといわれており、決して珍しい病気ではありません。
人間の腹部には、胃、小腸、大腸、肝臓、胆のうなどの消化器官、女性ならばさらに卵管、子宮といった臓器があり、大きな袋状の細胞層で包み込まれています。それを腹膜と呼び、腹膜播種とはそれら臓器の内側にある粘膜から発生したがんが成長し、畑に種をまくようにがんがバラバラと散らばり、臓器の壁を突き破って広がる病態を指しています。
まだ働き盛りのこの方は、今年の6月の健康診断で初めてがんの疑いがあるとの診断を受けたとのことでした。自営業の仕事が忙しく精密検査を受けられないまま時が過ぎ、9月のはじめに急に体がしんどくなって動けなくなり、入院。検査を受けたところ、末期がんで、予後(余命)3カ月と医師から伝えられたというのです。