著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

夫は家にいるのが好きな人…その家で自然体で死んでいければいい

公開日: 更新日:

「昨日血液を採ってもらって治療はお任せしますと言いましたが、苦しみをなくすような感じでいいので、改めて延命につながる治療はしない方向でお願いします」

 在宅医療を開始してしばらくしたある日、きっぱりと尊厳死の希望を口にしたのは、パーキンソン病を患う83歳の男性の奥さまでした。彼女はさらにこう続けました。

「こうなる前から、夫と私は話し合って尊厳死協会に入っていました。夫は家にいるのが好きな人で、その家で自然体で死んでいければいいやって思っています。ですからよろしくお願いします」

 パーキンソン病は、脳内にある神経伝達物質ドーパミンが不足することで、脳からの指令が全身に伝わらなくなる病気です。症状としては、表情が乏しくなる、手足が震えスムーズに動かせなくなるなどがあります。

 今のところ完全に治る治療法はありませんが、薬物療法によって症状を抑えることはできます。しかし、症状は数年かけて徐々に進行していき、厚労省が発表している生活機能障害度分類では、その重症度(Yahr・ヤール)は3段階あるとされています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動