第一人者が教える 認知症のすべて
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「昼食の時間が遅れて…」で低血糖 生活の変化に薬は対応できない
私たちの体では、細胞が血液中の糖(ブドウ糖)を絶えず取り込み、エネルギーに変えています。その取り込み作業に必要なのがインスリンで、インスリンの量や作用が不足すると血液中の糖が過剰になります。高血糖が…
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低血糖症を起こしたことがある人は認知症発症リスクが2倍になる
「糖尿病と認知症」では、低血糖の危険性も知っておかなければなりません。 糖尿病の薬のうち、インスリンやスルホニル尿素(SU)薬などは低血糖を起こしやすいのですが、これらを使用している人で高齢者…
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糖尿病は生涯を通して認知症のリスクを上げる…1.54倍に増加
糖尿病は、合併症が怖い病気です。そして、昔からよく言われているのが「3大合併症」です。 将来的に失明リスクがある「糖尿病性網膜症」、腎臓の働きが失われ、やがては人工透析なしでは生きられなくな…
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「脳血管障害による認知症」は高血圧と深く関係している
日本の高血圧の患者数は、推定約4300万人。約3人に1人が高血圧という計算になります。 高血圧に深く関連しているのが、よく知られるように食塩摂取量です。日本人の食塩摂取量の平均値は以前と比べ…
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アルツハイマー病に対し現時点で使われている薬は2種類ある
先日から本欄で取り上げている新薬「レカネマブ」。この薬をはじめ、近年治験が行われている抗体医薬は、アルツハイマー病の原因物質、アミロイドβを除去する薬です。抗体医薬とは、細胞表面の目印となる抗原をピ…
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新薬レカネマブは誰もが使えるわけではない…早期アルツハイマー病患者が対象
アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」の承認が決まりました。 先週、本欄でお伝えした通り、レカネマブは、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβを除去する抗体医薬です。これまでは、約10カ…
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アルツハイマー病の新薬は認知機能低下を7カ月半遅らせる
先週21日、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」の承認が、厚生労働省の専門部会で了承されました。厚労相が正式承認すれば、アルツハイマー病の原因物質を脳から取り除く初めての薬となります。 アル…
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母親の死後、血糖コントロールが悪くなった父親をなんとかしたい
「父親は78歳。糖尿病で、30年近く薬を飲んでいます。母親が生きていたときは血糖コントロールが良かったんですが、半年前に母親が亡くなって以来、レトルト食品やスーパーの総菜が増えて、血糖コントロールも悪…
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就職して激太り。検診で指導を受けても聞き流していたが…
現在55歳のHさんは、学生時代は体育会系に属し、いくら食べても太ることがなかったそうです。 ところが就職後、仕事が忙しくて運動する時間がほとんどなくなりました。一方で、営業部に属し、仕事で飲…
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そんな理由にだまされるとは…1人暮らしの母親がオレオレ詐欺に
「ゴールデンウイークに入る直前、母親がオレオレ詐欺に遭ったんです」 こう話すのは、大阪府在住の50代男性、Kさん。お母さんは奈良県で1人暮らしをしており、Kさんは2週間に1回くらいの割合で実家…
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認知症治療は薬も大切だが、もっと大切なのは「発症・進行を遅らせる」こと
ご家族の方からときどき聞くことのひとつに、「治療は薬物療法中心なので、あとは介護の方と相談するように」というものがあります。もの忘れ専門外来に通院していてもこのように言われることも少なくないようです…
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認知症の検査結果や診断内容の説明も必ず患者さん同席で行う
「本人抜きで、先生とお話ししたいのですが」 認知症を疑って来院した方のご家族から「本人不在面接」を希望された場合、私は基本的にお断りしています。それは、2回目以降の診察でも同じです。 …
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初診時こそ患者さんとの信頼関係を築く一番大切なタイミング
「笑顔で診察室を出てほしい」「また来たい、と思える診察をしたい」──。私が外来をする際、常に念頭に置いていることです。 重要なのは、初診時。第一印象が後々までその人との関係性に影響を及ぼすとい…
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認知症疑いの親に病院で検査を…どうやって切り出せばいい?
「病院で義母を診てもらいたいんですが、どう説得すればいいのか……」 この女性は、ダンナさんのお母さんと車で30分ほど離れた場所に住んでいます。 ダンナさんは男兄弟しかおらず、結婚した時…
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認知症の疑いは何科を受診する? 大事なのは診療科で選ばないこと
(家族に)認知症を疑う症状が見られる。病院で診てもらいたいんですが、何科に行けばいいのでしょうか──? そんな質問を時々受けます。 かつては、健常者か認知症かで考えられていましたが、今は、認知…
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診察室に入ってきた時の表情、姿勢、動作、歩き方、会話に着目
病気の内容に限らず、患者さんを診察する時、私たち医師が着目するのは、患者さんや同伴の方(主にご家族)の話の内容に限りません。むしろ、それ以外のこと、たとえば診察室に入ってきた時の表情、姿勢、動作、歩…
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ある日の診察室の光景…怒る妻に、認知症の夫が「いつもありがとう」
私の外来では、アルツハイマー病の方の診察はだいたい月に1回。ある日の診察室での光景です--。 「こんにちは。今日は雨で、うっとうしいですね。来るのが大変だったでしょう」 「そうなんですよ…
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認知症患者の「夜、寝ない」問題…介護する家族にアドバイスしていること
「お義父さんが夜寝てくれない。夜中に何度も『おーい、だれかいないかー』と家族を呼ぶのです。寝不足でつらい」 これは、あるお嫁さんの訴えです。 お義父さんがアルツハイマー病と診断されたの…
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「財布を盗まれた」と大騒ぎ…それがきっかけで認知症が発覚
「認知症の母親が、通販でいろいろ注文をして困ります」と言うのは、40代後半のある男性。 お母さん(70代)は静岡県に1人で住んでおり、男性は東京都在住。認知症が発覚したきっかけは数カ月前。お母…
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今日も「健脳カフェ」は賑やか 学生も入り交じり会話が弾む
毎週金曜日の朝10時から開いている「健脳カフェ」。コロナ禍でも毎週のように通ってこられる方がいたのですが、ゴールデンウイーク明けの先日は、お天気が良かったこともあり、一層賑やかでした。用意した椅子が…