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新井平伊順天堂大学医学部名誉教授

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

就職して激太り。検診で指導を受けても聞き流していたが…

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 現在55歳のHさんは、学生時代は体育会系に属し、いくら食べても太ることがなかったそうです。

 ところが就職後、仕事が忙しくて運動する時間がほとんどなくなりました。一方で、営業部に属し、仕事で飲んだり食べたりする機会が増えました。

 残業も多く、休み前は仕事終わりに同僚と飲みに行き、深夜まで飲んでラーメンで締めて帰ることもしばしば。若いから、睡眠時間が短くてもへっちゃらだったそうです。

 そんな生活を続けた結果、大学卒業時は身長170センチ、体重65キロだったのが、30代に差し掛かるときには80キロ台に。

 体重が増えるとともに血糖値、コレステロールも上昇し、健診のたびに「痩せましょう」「すでに糖尿病予備群。生活習慣の改善を」と注意されるようになりました。それでも、特に自覚症状がないからと、何の対策も講じずにいました。

 そんなHさんが、とうとう糖尿病と診断されたのは42歳のとき。そしてその年、人生の大きな転機も迎えました。

 ずっと独身でいたのが、縁あって、結婚したのです。お相手は離婚歴があり、小学校入学を控えた娘さんがいました。Hさんは、女の子のパパになったわけです。

「妻と娘のために健康で長生きしたい。だから、食事改善と運動で、糖尿病治療に取り組みます。まずはダイエットを頑張ります」

 Hさんは、スポーツジムに単に通うのでは長続きしないからと、知人に紹介してもらったパーソナルトレーナーに週2回のトレーニングと食事指導を頼みました。本人の努力、奥さんの援助、娘さんの応援もあって、Hさんは1年間で15キロの減量に成功し、血糖値は基準値内に。

 Hさんが素晴らしいのは、ここで運動をやめてしまうのではなく、奥さんとともに平日はウオーキング、週末はジョギングを始め、それを継続していることです。

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