歯科医・看護師・薬剤師も専門が細分化

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 厚生労働省は2002年、医学系の各学会が独自に認定していた専門医資格を、病院などの広告等に使っていいという通達を出しました。専門医という民間資格に、事実上、国のお墨付きが与えられたことになります。と同時に、専門医資格が経済価値を帯びるようになったのです。

 その結果、それまでは専門医にまったく無関心だった学会も、次々に新しい専門医制度を立ち上げ始め、今日では約90種類の専門医が乱立しています。また多くの医師が専門医資格を取得するようになり、現在では延べ約30万人が、いずれかの専門医を取得しています。実は日本の医師数も約30万人です。単純に言って、すべての医師が、何らかの専門医資格を持っている計算になります。

 それだけではありません。歯科の専門医制度も認められています。小児歯科専門医、歯周病専門医、口腔外科専門医など、現在では約10種類が存在します。

 実は看護師にも、専門看護師制度があって、やはり厚労省の通達で、広告等に使うことが認められています。がん、精神、老人、小児など10種類の専門分野に分かれています。薬剤師も同様で、がん専門薬剤師や感染制御薬剤師などがあります。

 こうした状況は、専門性を重視したい患者にとって、ありがたいことかもしれません。しかし大半の患者は、かえって混乱するばかりです。

▽長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

【連載】健康医療データの読み方

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