著者インタビュー
-
「つながり続けるこども食堂」湯浅誠氏
近年「こども食堂」をよく耳にするが、「経済的に、家でご飯を食べられない子」「孤食の子」のための福祉的な場所と捉えている人が多いのではないだろうか。 「報道がそう伝えてきたので、イメージが張り付…
-
「『非モテ』からはじめる男性学」西井開氏
1990年代後半からインターネットを賑わせてきた「非モテ」という言葉。一般的には女性から好意を向けられない状態や、そのような苦悩を抱える男性を指す。本書のタイトルから「モテるようになるための本か?」…
-
「たぶん一生使わない?異国のことわざ111」時田昌瑞氏
「他人の鼻で息をする」という言葉をご存じだろうか。実はコレ、他人を利用して生きることをたとえたラオスのことわざだ。 日本でいう「人のふんどしで相撲をとる」にあたるものだが、朝鮮に行けば「他人の…
-
「落語に学ぶ粗忽者の思考」立川談慶氏
「最近、みなさん疲れているんじゃないかと思うんですよね。『とにかく稼げばいい』という風潮が強くて、社会の枠組みから外れた人は、生きづらい方向へと押し出されています。でも、江戸時代が舞台の古典落語には、…
-
「何者かになりたい」熊代亨氏
「自分は何者になりたいのか。分からないから、関心のおもむくまま趣味やバイトの日々を過ごし、正業につくのを先延ばしにする若者をかつてモラトリアム世代と呼びましたよね。私は若い頃、大先輩の精神科医・小此木…
-
「ブレイクニュース」薬丸岳氏
緊急事態宣言下に発覚したユーチューバーらの大宴会や、ついに逮捕に至った迷惑系ユーチューバーの事件など、何かと眉をひそめさせる話題の多いユーチューバー界隈。今回、著者が新たに挑んだ小説の舞台も、謎の女…
-
「婿どの相逢席」西條奈加氏
第164回直木賞作家による最新作は、10編からなる人情連作時代小説。料理で季節を鮮やかに描きながら人情絡みの争い事を若主人・鈴之助が解決していくが、描かれる世界観が面白い。 舞台は新橋加賀町…
-
「土偶を読む」竹倉史人氏
「縄文時代の遺物・土偶は、すでに2万点近く出土しています。さしたる根拠がないのに『土偶は女性をかたどった像である』というのが通説で、中学と高校で今使われている教科書の大半にもそう明記されているんです。…
-
「サバイバルする皮膚」傳田光洋氏
人間の皮膚には触覚、視覚、聴覚、嗅覚、味覚がある。そして脳と同じような、情報処理の仕組みもある。さらに皮膚感覚は直感や無意識に通じており、人は、“見たこと”よりも“触ったこと”に確かさを感じる――。…
-
「サイバースパイが日本を破壊する」井上久男氏
4月16日、菅首相とバイデン大統領による首脳会談では、共同声明の中に52年ぶりに台湾問題が盛り込まれた。これは、台湾有事が想定されるほど中国と台湾が緊張関係にあること、米中対立激化の時代に突入したこ…
-
「博覧男爵」志川節子氏
これまで江戸の市井の人々を登場人物に、心温まる人情物語を紡いできた著者が、初めて実在の人物をモデルにした小説を上梓した。 彼の名は田中芳男。 「日本の博物館の父」と呼ばれ、今も上野に立…
-
「ジュリーの世界」増山実氏
本書の「ジュリー」は、1970~80年代前半、京都きっての繁華街、四条河原町界隈を悠然と歩き、寝ぐらにしていたホームレスのことだ。大スターの名にあやかって誰が名付けたか「河原町のジュリー」と呼ばれた…
-
「シニア バス旅のすすめ」加藤佳一氏
「今のシニア世代はアクティブですが、まだまだバスの旅は浸透していません。“乗らず嫌い”なところがあるような気がするので、この本で、マイカーやレンタカー、あるいは鉄道では感じられない、バス旅の魅力を伝え…
-
「『人権』がわからない政治家たち」小林節氏
「時事問題という、その時々に流れてきた球を、その都度ポンポンと向きを変えて打ち返してきただけ。でも、私の人格と学識が揺れずに一本の柱として立っているから、一冊にまとまるんですね。改めて並べ直すと現代の…
-
「マスクをするサル」正高信男氏
新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっているが、マスクが手放せない生活は当分続きそうだ。本書では霊長類学者であり発達心理学者である著者が、マスク着用が標準化された今、人間のコミュニケーション、さら…
-
「なぜ妻は『手伝う』と怒るのか」佐光紀子氏
長引くステイホームを機に、積極的にあるいは渋々と家事・育児に関わるようになった夫たち。ところが妻にはダメ出しされてばかりで、本書のタイトルに思わずうなずいた人もいるのではないか。 「基本的に男…
-
「首都直下地震と南海トラフ」鎌田浩毅氏
今月1日に宮城県沖でマグニチュード6・8の地震が発生し、東京でも揺れた。「久しぶり」と思った人が多いのではないだろうか。しかし、気象庁によると、これは今年936回目の震度1以上の地震だ。日本はもとよ…
-
「三国志入門」宮城谷昌光氏
「深くなく浅くなく、難しくなく易しくもない、そういう三国志の本が意外にないなと思っていました。ただ、私は新書を書くのは初めてで、今回は企画や章立てを編集者に作ってもらって、それに沿って書いたんです。初…
-
「認知症の新しい常識」緑慎也氏
2021年4月27日現在、日本の新型コロナウイルス感染者は累計で約57万人。日々増加していく患者数に、誰もが明日は我が身と戦々恐々としていることだろう。しかし、私たちを脅かす疾患は新型コロナだけでは…
-
「はじめての動物倫理学」田上孝一氏
タイトルの「動物倫理学」という聞き慣れない言葉に、動物の福祉のこと? と思った人は多いのではないか。 「動物の福祉とは、動物を人間の手段として利用することを前提にしながらも、出来る限り思いやり…