著者インタビュー
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「黒魔術がひそむ国」春日孝之氏
「大統領の正確な誕生日なんて確認できっこない」 なぜなら黒魔術で呪われるのを恐れているから――。 本書は、ミャンマー情報省幹部のこんな話から始まる。著者は毎日新聞でアジア総局長を務めた…
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「万葉ポピュリズムを斬る」品田悦一氏
新年号が「令和」と決まった時、著者の文章がツイッターで拡散された。年号の典拠となった「万葉集」の解釈を巡り、政権を舌鋒鋭く批判したものだった。 本書は話題となったその文書に加え、我々が今、「…
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「山へようこそ」石丸謙二郎氏
俳優の石丸謙二郎氏が、人生初となるエッセーを上梓した。「世界の車窓から」のナレーションを彷彿させるやわらかな文体でつづられているのは、山登りの魅力とそのノウハウ。実は著者、山歴50年の大ベテランなの…
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「ジジイの片づけ」沢野ひとし氏
新型コロナウイルスの感染で家で過ごすことが増え、「ちょっと片づけでもするか」と重い腰を上げた人も多いのではないか。本書は、御年75歳の著者が片づけの意外な効用や、片づけにまつわるエピソードをユーモア…
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「新橋パラダイス」村岡俊也氏
今もなお、戦後闇市から脈々と醸成されてきた混沌がひろがり、昭和のにおいが色濃い新橋駅前ビルとニュー新橋ビル。再開発計画で失われようとしているこのディープなビルに通いつめ、その全貌と情緒あふれる人間模…
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「ルポ 新大久保」室橋裕和氏
「新大久保が好きで歩き回っているうちに、単なるコリアンタウンではないことがわかってきたんです。韓国人以外の外国人も多く、活気があって、東南アジアの下町のよう。もっと知るには実際に暮らしてみるしかないと…
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「同姓同名」下村敦史氏
江戸川乱歩賞の受賞から6年。最新作となる本作は、前代未聞のミステリーである。何しろ、登場人物が全員“同姓同名”。何と10人以上の「大山正紀」が激しく交錯する、非常に挑戦的な作品だ。 「SNS社…
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「『コロナうつ』かな?」和田秀樹氏
新型コロナウイルスの感染対策として推奨されたステイホーム。自粛は解除されたが今なお多くの人が外出を控えている。そんな中で、気分がめいる、気分がブルーだと訴える人が増えているという。 「新型コロ…
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「新型コロナと貧困女子」中村淳彦氏
コロナ禍による緊急事態宣言で歌舞伎町には人影がなくなった。 こっそり営業するホストクラブもあったが、“濃厚接触”でしか生きられない風俗嬢やキャバ嬢は「政府は私たちに死ねって言ってるんでしょう…
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「免疫力」藤田紘一郎氏
「感染しても、発症しないことが最も重要」 新型コロナウイルスについて、本書の冒頭ではこう強調されている。「絶対感染しない」ではないのがポイントだ。本書は感染免疫学の専門家として50年近く研究を…
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「自粛バカ」池田清彦氏
危機に直面すると、人は本性をむき出しにすることが多い。では、新型コロナウイルスのパンデミックは、日本人のどのような本性を明らかにしたのか。自粛警察の出現などからわかる日本人の〈不思議な感性〉を、歴史…
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「ドキュメント 感染症利権」山岡淳一郎氏
すでに9月に入り、間もなく秋を迎えようとしている今、国の新型コロナウイルス対策は進歩しているとはとても思えない状況だ。 「往々にして、政府は感染症の影響を小さく見せたがります。緊急事態宣言の解…
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「お酒の経済学」都留康氏
コロナ禍によりオンライン飲み会が大盛況だ。酒場と違い、皆と酒やつまみを合わせる必要はなし。ビールに日本酒に焼酎、ウイスキーやワインなど多種多様な酒が画面に映る。 「今の日本は手軽にスーパーやコ…
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「かくされてきた戦争孤児」金田茉莉氏
「私たち孤児は、国からおにぎり1つもらっていません。国に捨てられ、歴史から消されてきました。軍人や軍属にはこれまで60兆円も恩給が支払われているのに……」 穏やかに愛犬をなでていた85歳の著者…
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「中高年ひきこもり」斎藤環氏
精神科医でひきこもり問題の第一人者である著者が、ひきこもりについての正しい知識と支援を伝える入門書を出した。 「私が最初にひきこもりについての本を書いた20年前は、ひきこもりの平均年齢は21歳…
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「やわらかな知性」野村亮太氏
漫才は、時事やトレンドなどを取り入れたネタの新しさやオリジナリティーが、面白いか否かの判断材料になるところが大きい。対して、落語はどうか。 「落語ファンは同じ落語を何度も聞いているため、噺の筋…
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「家族じまい」桜木紫乃氏
北海道の江別市に暮らす智代は48歳。子供たちは自立し、今は夫婦2人暮らし。パートで美容師として働きながら、静かで穏やかな生活を送っていた。 そんなある日、函館に住む妹・乃理から一本の電話が入…
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「二枚腰のすすめ」鷲田清一氏
「中庸でブレがないよりも、両極端を知っていて行き来できるほうが人として器が大きく、懐が深くて強いと僕は考えているんです。八方塞がり打つ手なしと思っても、別の方向に視点をふってみれば弱さが強さに反転する…
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「家族写真」笠井千晶氏
記録的な豪雨により熊本や大分では浸水被害が深刻だ。轟音とともに家を押し流す濁流の映像に、東日本大震災の津波を思い出した人も多かったのではないだろうか。 本書はドキュメンタリー監督である著者が…
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「憂き夜に花を」吉川永青氏
今年は中止が決まっている隅田川花火大会の始まりの物語である。江戸の男たちの熱い物語に、コロナ禍の鬱憤がつかの間晴れると同時に、不思議なほど“今”と似通った状況に、読者は驚かされるのではないか。 …