がんと向き合い生きていく
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コロナ禍での自殺者増であらためて考える がん患者の心の問題
昨年から自殺者が増えています。もともとは自殺は男性に多いのに、女性の増え方が目立ち、うつ病を含む健康問題が原因とみられるケースが多いようです。2020年に自殺した人は2万1081人を数え、19年より…
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コロナで献血が激減…命を支える治療のひとつ「輸血」の重要性
最近、献血者が減っています。都内では、必要人数に対する協力者数の割合が6月以降に足りなくなって、80%台にとどまっているようです。不要不急の外出を避ける生活、繰り返される緊急事態宣言やまん延防止等重…
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がん医療は変わってしまった…夫を亡くした看護師からの手紙
某市にあるC病院での出来事です。入院中の夫がいるB子さんは、面接室で担当医から、こう告げられました。 「今のままでは、いつ亡くなってもおかしくない状態です」 B子さんは「分かりました」…
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自粛、自粛…が1年半以上続けば誰だってつらい気持ちになる
ある病院の副院長からこんなメールが届きました。 「コロナウイルスのデルタ株で家族感染が起こり、旦那さんは亡くなりました。今、入院中の奥さんはNHFをして、やっと落ち着いてきました。お子さんもや…
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コロナ禍の巣ごもりで同居人からの受動喫煙が増えている
新型コロナウイルスの感染は人の移動で増加します。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置を延々と繰り返し、不要不急の外出をしないように、3密を避けるように、そして自宅でのテレワークが推進されても、毎日のコ…
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コロナ禍では検診の“先の検査”も大幅に減っている心配がある
ある日、自営業のKさん(54歳・男性)は市の検診で「要精査」とされ、その用紙を持参して来院されました。Kさんのカルテファイルにはその用紙が挟んであり、それが2枚ありました。今年の日付のものには「胸部…
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熱い情熱を持った指折りの放射線治療医が亡くなってしまった
人の運命は分かりません。たくさんのがん患者を放射線治療で治してきた、私より10歳以上も年下の唐沢克之医師がこの春、突然、大動脈解離で亡くなりました。がん征圧に熱い情熱を持った日本では指折りの優秀な放…
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若者は人間の「生と死」を考えることに飢えているのではないか
先日、ある大学の医学部で講義を担当しました。いつもは学生と話し合える楽しみな90分なのですが、今回はコロナ流行のためウェブ講義となりました。残念ながら学生の反応が分からないままに、私の方で一方的に話…
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乳がんで妻を亡くし「時間が解決してくれる」と言われたが…
つい最近、奥さまを乳がんで亡くされたAさん(67歳・男性)のお話です。 奥さまは手術を受けてから5年間、闘病を続けていました。背中に痛みがあって入院され、およそ1カ月が経過して少し痛みが治ま…
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抗がん剤の点滴治療を受けた日に熱中症に見舞われて…
朝から日差しが強い暑い日のことです。再発した卵巣がんで治療中のCさん(50歳・女性)は、日傘を持って、帽子をかぶり、マスクをして、朝7時に病院へ向けて自宅を出ました。朝、歯を磨いた時に少し水を飲んだ…
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抗がん剤治療中でも白血球数が減っていないならワクチン接種を
長く続く新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の流行で、老人だけでなく、若い人も、元気で死ぬはずのない人も、急に亡くなっています。毎年繰り返してきたインフルエンザ流行とはまったく違います。「屁…
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現場を見れば「困難な時代だからこそ五輪開催」とは言えなくなる
志村けんさん、岡江久美子さん、岡本行夫さん、神田川俊郎さん、勝武士さん、国会議員の羽田雄一郎さん……。新型コロナウイルス感染症は、日本ではおよそ78万5000人が感染し、老人だけでなく、若い人、元気…
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妻が胃がんに 心まで病気にならないよう気分を変えたいが…
高血圧症でC病院の内科に通院中のBさん(58歳・男性)がこんなお話をしてくれました。 ◇ ◇ ◇ 外来の待合室では、ひとつ置きの椅子に座り、全員がマスクをして話し声もなく、じっ…
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がんではないかと不安になる壊死性リンパ節炎は原因が分かっていない
ある日の夕方、会社員のKさん(28歳・女性)はなんとなくだるくて少し寒けがあり、熱を測ってみたら36・8度でした。いつもはもう少し低いのに……と気になりました。ふと、右の首を触ってみたらリンパ節のよ…
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コロナ禍の面会制限 「最期のタイミング」を合わせるのは難しい
がんが進行し、治療法がなくなった終末期において、多くの患者は次第に食べられなくなり、下肢の浮腫が強くなり、自分では動けなくなります。常に臥床で、安静時でも呼吸困難やせん妄などの症状から、家族も医療者…
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医療連携手帳の活用でがんも他の病気もスムーズに治療できる
主婦のKさん(68歳・女性)は、S大学病院で乳がんの手術を受けてから5年、リンパ腺に再発・転移が見つかってからちょうど2年になります。今は抗がん剤治療が終わったところで、ホルモン剤だけを内服し、2カ…
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「なぜ看護師になったのか?」コロナ病棟に勤務してから頭をよぎる思い
病院の看護師寮に住んでいるAさん(28歳・女性)がこんなお話をしてくれました。 ◇ ◇ ◇ 私は看護学校を卒業後、ある病院の消化器内科病棟に勤務しました。入院患者の中には胃がん…
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医師から十分な説明を受けられず不安を抱える患者は多い
肺がんが再発したKさん(68歳・女性)は、がん拠点病院の外来で7カ月間、薬物治療を受けてきました。 その日も病院に着くと採血検査が行われ、1時間以上も診察室の前で待ったあとA医師から呼ばれま…
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初孫ができて思い出す乳がんで亡くなった女性患者の言葉
私の部屋の中、机の周りは本や資料などの印刷物でいつも散乱し、家人から「断捨離」を勧められています。私自身も「そうだな。こんなものを残しても意味がない」と、その時は捨てるのですが、気付くとまた、たまっ…
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がんと糖尿病、医師の“言葉”がなぜこうも違うのでしょう?
「大腸がんと糖尿病のことで相談したい」 ある診療所に出向いたとき、そう希望するGさん(58歳・男性)が来院されました。その際、こんなお話をうかがいました。 ◇ ◇ ◇ 先…