コロナ禍での自殺者増であらためて考える がん患者の心の問題
昨年から自殺者が増えています。もともとは自殺は男性に多いのに、女性の増え方が目立ち、うつ病を含む健康問題が原因とみられるケースが多いようです。2020年に自殺した人は2万1081人を数え、19年より4.5%増でした。徐々に減りつつあった流れが上昇に転じたのです。収まらない新型コロナの流行も大きく影響しているものと思われます。
そうした報道を目にしている時、長年の友人から電話がかかってきました。その友人の奥さん(60歳)が乳腺にしこりを感じたといいます。しかし、コロナ感染が拡大しているから、しばらく病院には行きたくないと言っているとのことでした。
そんな話を聞いて、早めに乳腺外科で診てもらうことを勧めました。
2週間後、友人から再び連絡が来ました。病院で診察を受けた奥さんは「乳がんの疑いがある」と告げられたといいます。
まだ確かな診断がついていないのに、帰宅した奥さんは「よりによってこんなコロナ禍のさなかに……」とふさぎ込み、夕食も取らずに寝込んでしまったそうです。