がんと向き合い生きていく
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がん予防や効く薬を探す 遺伝子検査は確実に進歩している
主婦のFさん(45)は3人姉妹の“真ん中っ子”です。6年前に膵臓がんで父を亡くし、4年前には乳がんで母を亡くしました。その頃から乳がんが心配になり、3姉妹連れだって乳がん検診を受けています。今年にな…
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手術が年明けに…患者は年末年始をどんな気持ちで過ごすのか
毎週、各科が集まってのカンファレンスで、12月になると気になることがあります。新しくがんと診断された患者についてです。 「12月中の手術予定はいっぱいです。手術は年が明けてからになります」 こ…
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旦那さんだけ診察室に…妻には内緒で本当の病状を告げられ
主婦のGさん(56歳)は下腹部に軽い痛みと腫瘤が触れ、CTやMRIなどの検査で卵巣がんが疑われて手術となりました。担当のS医師は50歳代のベテランの医長で、Gさんには話しやすくその点は安心でした。 …
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乳がんの再発予防で10年間もホルモン剤を飲み続けるの?
洋服店で働いているSさん(39歳・女性)からこんな相談がありました。 ◇ ◇ ◇ 乳がんの手術をして4年が経ちました。再発はなく元気です。病院に行った時はがんの塊は結構大きかっ…
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誤った情報を信じてせっかくの人生を無駄にしないで欲しい
3年前に大腸がんの手術を受けたRさん(60歳・男性)のお話です。お会いした時、顔は痩せて腕も細くなっていて、上腹部は異常に膨らみ、皮膚には静脈が浮き出ていました。「あまり食べられないんです」と切り出…
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医師が命を助ける努力を怠れば命が軽くなり過ぎてしまう
Kさん(70歳・男性)は、胃がんの手術を受けた後、1年間の抗がん剤内服も終わり、再発なく元気です。それでも手術前より8キロ減った体重は戻らないままです。昨年は奥さんに先立たれ、いまはひとり暮らしです…
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認知症の母親に胃がんが発覚…それでも母は私の生きる希望
認知症の母親(83歳)と13年間、ずっと一緒に暮らしている娘さん(55歳・会社員)から聞いたお話です。 ◇ ◇ ◇ 母は病院の物忘れ外来に2カ月に1回のペースで定期的に通ってい…
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「希望を持っていたい」ステージ4のがん患者にそう言われ…
元看護師のDさん(64歳・女性)は、健診で肺に異常な影を指摘されました。某病院呼吸器内科を受診してCT検査を受けたところ「肺がん」で、さらに肺の中とリンパ節に転移があり、手術は無理でステージ4との診…
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80歳の男性患者は孫からの“宿題”で生きる元気を取り戻した
Pさん(80歳・男性)は悪性リンパ腫がなくなって5年が経過しました。「治癒した」と考えていますが、高血圧と脳梗塞の後遺症があり、2カ月に1回のペースで定期的に通院されています。 2カ月前の受…
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朝食でパンを食べるとかつて乳がんと闘った患者を思い出す
かつて乳がんと闘ったジャーナリストの千葉敦子さんは、「がんの告知=本人が真実を知る」ということに対する日本人のパイオニアであったと思います。 千葉さんが乳がんの手術を受けた1980年ごろ、医…
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がん保険加入も「これから3カ月は検査しないで」と言われ…
建築会社に勤務するKさん(46歳・男性)は、5年前に奥さんをクモ膜下出血で急に亡くし、中学生になった娘と2人暮らしをしています。 仕事が忙しく、ここ数年は健診も受けていませんでした。先月、同…
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余命を一度も口にしたことがない担当医に感謝する患者の思い
会社経営者のTさん(66歳・男性)は、10年前に受けた人間ドックで腫瘍マーカーの数値が高いことを指摘され、A病院で検査を受けました。その結果、肝硬変で、肝臓がんができていることが発覚。以来、ずっとA…
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がんを根絶できなくても「治療法がある」という事実は大切
2年前に膣からの出血が時々あったNさん(75歳・女性)は、自宅近くにあるB総合病院の婦人科で「進行した子宮がん」と診断され、手術、抗がん剤、放射線治療を受けました。 その後は小康状態でしたが…
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あなたらしく生きる…余命3カ月を告げられて気づいた思い
以前、Aさん(56歳・男性)からお聞きしたお話です。Aさんは胸腺がんで、ある病院の腫瘍内科に通院していました。そこで担当のB医師とこんなやりとりがあったそうです。 ◇ ◇ ◇ B医師…
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「治療が無駄だったのか」を考えながら10年間も生きてきた
Aさん(65歳・男性)は、B病院の守衛として20年間、60歳まで勤めました。55歳の時に悪性リンパ腫となり、勤務しているB病院で治療を受けているのですが、それでも何かにつけ自宅近くの診療所に出向いて…
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「脈が触れる」ご遺体の手首に手を当てた看護師が呟いた
以前のお話ですが、若くてとても優しいMさんという看護師がいました。Mさんは他の看護師とは少しテンポというか、何かが違っていると感じさせるところがありました。もちろん医療事故を起こすようなことはないの…
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終末期の父親が震える手で3人の子供たちに書き残した言葉
Hさん(男性=当時51歳)が亡くなられて今年で三十三回忌を迎え、奥さんと集まった8人のお孫さんで一緒に撮った写真が、担当医だった私の元に送られてきました。 お孫さんたちの背丈は奥さんと同じか…
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統合失調症だから抗がん剤治療をしないという選択はない
Cさん(50歳・女性)は、2カ月ほど前から「宇宙人の声が聞こえる。私を非難している」と訴え始めました。時に興奮することもあり、家族が心配して近くのメンタルクリニックに連れて行ったところ、統合失調症と…
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迷惑をかけるから安楽死を──それではあまりに悲惨過ぎる
先日の参院選で、「安楽死制度を考える会」のこんな公約を新聞報道で目にしました。 「自分の最後は自分で決めたい。耐え難い痛みや辛い思いをしてまで延命をしたくない。家族などに世話や迷惑をかけたくな…
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「私は治します」スキルス胃がんと闘う妻は毅然と答えた
Rさん(55歳=女性)は福祉関係の会社で部長を務めています。夫は同じ会社の課長で子供はおらず、1匹の猫と“3人暮らし”です。とても頑張り屋で会社が困難な時でも前向きで、上司からも部下からも慕われてい…