効果長続きせず 「疲れたときは甘いもの」は大きな勘違い
【Q】 甘いものを食べると血糖値が上がり、元気になるというのは本当ですか?
【A】 「疲れたときは甘いものを食べるに限る」。これは一般的な健康常識のひとつになっているようです。しかし、これは大いなる勘違いです。確かに疲れを感じたときに甘いものを食べると血糖値が急激に上がり、ちょっと元気になったような気になります。エネルギーをつくり出す原材料となるブドウ糖を得たことで、実際に元気になる部分もあるでしょう。「元気になる」ことを目的にしている栄養ドリンクの多くは糖質がたっぷり含まれ、急激に血糖値を上げることで幸せを感じられるようにできています。
ところが、その効果は長くは続きません。アッという間に失われます。糖質を取ることで急激に上げた血糖値は急激に下降するからです。その結果、今度は眠気やイライラ、吐き気など、さまざまな不調を招くことになります。つまり、疲れを取ろうと甘いものを口にしたばかりに、かえって疲れてしまうことが起こるのです。
そもそも、疲れとは、エネルギー不足で筋肉が動かなくなった状態だけを指すわけではありません。さまざまなストレスが私たちの心身にかかってきた結果として起こるものです。ですから、血糖値を上げたからといって、必ずしも元気になるとは限らないのです。