著者のコラム一覧
牧田善二糖尿病専門医・AGE牧田クリニック院長

AGE牧田クリニック院長、医学博士、糖尿病専門医。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病の合併症の原因とされるAGEを研究。96年から北海道大学医学部講師、2000年から久留米大学医学部教授。03年から糖尿病をはじめとした生活習慣病および肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開院、延べ20万人以上の患者を診ている。著書に「医者が教える食事術 最強の教科書」(ダイヤモンド社)ほか、多数。

食事制限だけで痩せると筋肉が落ちるって本当なの?

公開日: 更新日:

【Q】食事制限だけで痩せると、筋肉が落ちて日常の身体能力が低下する、というのは本当ですか。

【A】ウソです。少なくとも肥満に悩む人が食事制限をしたからといって、筋肉まで落ちてしまうということは考えられません。

 前回、太る原因は脂っこい食べ物を取っているからではなく、過剰な糖質摂取にあることを説明しました。

 そこで、あなたが一念発起し、痩せるために糖質制限を始めたとしましょう。糖質はエネルギーの原料となる栄養素です。血液中に不足してエネルギー不足になると、まずブドウ糖を変身させて肝臓や筋肉の細胞内に蓄えていたグリコーゲンが使われます。それでも足りなければ、ブドウ糖を変身させて脂肪細胞に取り込んでいた中性脂肪を使ってエネルギーをつくります。それがすべて使われた場合に、初めて、筋肉のタンパク質からエネルギーを得るのです。つまり、筋肉が痩せていくのです。

 何も食べずにいると筋肉が痩せていくのはウソではありませんが、それは山で遭難して何にも食べられないという異常な状況でしか起きません。そもそも体重が70キロの健康な男性ですら1カ月以上の脂肪エネルギーのストックがあります。ですから、肥満に悩む人が、食事で糖質制限したからといって、立ったり、座ったり、歩いたりするのに必要な筋肉が失われて日常の身体活動に影響するとは考えられません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動