中国優位で加速するEV電池の淘汰…欧州系メーカーの破綻は3社目に
中国勢による市場の席巻をますます助長することになりそうだ。EV(電気自動車)の基幹部品である車載電池を手掛けるスウェーデンの新興企業、ノースボルトが先週、経営破綻した。
欧州系電池メーカーの破綻は2023年以降、これで3社目。“EV変調”がもたらす市場の「揺らぎ」に、トヨタ自動車やホンダなど国内勢の間でも警戒感が広がる。
ノースボルトは16年に米テスラの元幹部らが設立した。独フォルクスワーゲン(VW)、BMWやシーメンスのほか、傘下のファンドを通じ米金融大手、ゴールドマン・サックス(GS)系の資産運用会社なども出資。21年末にはスウェーデン北部で大規模量産工場(ギガファクトリー)を稼働させるなど一時はEV関連新興の中で「勝ち組」(マツダ関係者)とも言われてきた。
しかしエンジニアの確保が思うように進まず、年産能力16ギガワット時としてきた工場の生産量は1ギガワット時程度にとどまるありさま。
今年6月にはBMWから20億ユーロ(約3200億円)分の発注キャンセルを食らう一方、中国勢の低価格攻勢にもさらされ、資金繰りに行き詰まった。