《デスパイネ&グラシアルの巻》必ず期待に応える「親方」、何とかしてくれる「職人」
グラシアルは反対に日本人の職人肌と呼ばれる選手に近い。バットコントロールが巧みで、走者の有無にかかわらず「打率が高いから何とかするだろう」と安心して見ていられるタイプです。右打ちも得意で、調子がいい時は逆方向にも大きな打球を飛ばせる。
性格は陽気な一方で、若干控えめな部分もありました。デスパイネとともに取材を受けた時は、「僕は後でいいから」と順番を譲っていました。グラシアルはデスパイネより1歳年上。それでもキューバで4番を打ち、自身より日本球界が長いデスパイネを尊敬、尊重していたのです。来日当初は捕手と投手以外の全ポジションの守備練習をしようとし、首脳陣から「やめさない」と止められたこともありました。練習量も多く、コーチがブレーキをかけることもしばしばあった。当時、ソフトバンクの若手の中には、「将来はグラシアルのような打者になりたい」という選手が少なくなかった。さすがにデスパイネになるには持って生まれた資質が必要ですが、「日本人選手的」なグラシアルは現実的に目指しやすい目標となっていたのでしょう。
次回は近年のホークスの助っ人といえばこの人、日本球界年間最多セーブ記録を持つデニス・サファテです。