北上次郎のこれが面白極上本だ!
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「少女は夜を綴らない」逸木裕著
同級生全員に毒を飲ませて殺す、と加奈子が言ったので、その毒を加奈子のジュースに入れたら、それを飲んだ加奈子が屋上から落ちて死ぬ。理子が小学6年のときだ。すると、その3年後、「あなたは姉を殺しましたね…
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「明治ガールズ」藤井清美著
「富岡製糸場で青春を」と副題のついた長編である。さらに帯には「少女たちの青春お仕事奮闘記」とある。これで、だいたいの内容が推察できるが、その副題と帯コピー通りの小説といっていい。 そこまでわか…
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「最後のヴァイキング」スティーブン・R・バウン著 小林政子訳
世界的に有名な探検家アムンセンの生涯を描いた書である。南極点を目指したスコットとの競争は知られているが、他の本でそのディテールは読んだことがあるというのに、そのくだりはやっぱり迫力満点で、目が離せな…
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「その犬の歩むところ」ボストン・テラン著、田口俊樹訳
ボストン・テランといえば、「神は銃弾」で「このミステリーがすごい!」第1位、「音もなく少女は」で同2位に輝いたことがある作家である。つまりミステリー作家だが、本書はミステリーではない。帯コピーを借り…
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「フェイスレス」黒井卓司著
あなたが、先輩の婚約者に思いを寄せていたとする。ひそかな片思いで終わると思っていたら、ある日3人が乗っていた車が事故を起こし、先輩だけが死亡する。こうなると、残された2人が、時間はかかるものの、結ば…
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「サイレント(上・下)」カリン・スローター著、田辺千幸訳
警察小説である。アメリカの田舎町で湖から若い女性の死体が発見されるのが冒頭。容疑者として若い男が逮捕されるが、男は留置場で自殺。壁には無実を訴えるメッセージが血で書かれていた。地元警察の失態だとして…
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「アキラとあきら」池井戸潤著
10年前、雑誌に連載されたまま書籍化されずにいた幻の長編がいきなり文庫になって登場である。 10年も本にならなかったのは何か欠陥があるんじゃないの、とひねくれた人なら思うかもしれないが(すみ…
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「球道恋々」木内昇著
明治時代の日本野球を描いた長編小説である。主人公は2人いて、1人は一高OBの宮本銀平。日本文具新聞に勤めている男だが、母校野球部のコーチを頼まれるところから本書の幕が開く。明治の中ごろは一高が学生野…
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「諦めない女」桂望実著
ストーリーを紹介できない小説がある。それをしてしまったら、読書の興をそいでしまうからだ。まれにそういう小説がある。 本書もそういうタイプの小説なので、いささか頭が痛い。どうやって紹介すればい…
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「楽園」キャンディス・フォックス著 冨田ひろみ訳
シドニー州都警察殺人捜査課と副題のついたシリーズ第2作だ。とはいっても、続いているわけではないので、安心して手に取られたい。 これは、刑事フランクと相棒の女性刑事エデンの2人が活躍するシリー…
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「北海タイムス物語」増田俊也著
「北海タイムス」は北海道に実在した新聞である。歴史ある新聞であったが、1998年に休刊。本書はその新聞社を舞台にした小説だが、読み始めるとやめられなくなる。 とにかく労働環境が半端ないのだ。手…
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「水燃えて火」神津カンナ著
「山師と女優の電力革命」という副題のついた長編である。山師というのは、福沢諭吉の女婿桃介のことで、女優とは川上貞奴のことだ。全5章からなる長編だが、第2章まではその桃介が木曽山中にいかにしてダムを造る…
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「水壁」高橋克彦著
東北を舞台にした高橋克彦の歴史小説は、著者のライフワークといっていい。中でも、8世紀後半の蝦夷と朝廷の戦いを描いた「火怨」、12世紀後半、奥州藤原氏の興亡を描く「炎立つ」、16世紀後半の東北を舞台に…
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「ダークナンバー」長沢樹著
長沢樹は2011年に「消失グラデーション」で横溝正史ミステリ大賞を受賞してデビューした作家で、その著作はまだ10作に満たないが、これまでの長沢樹作品に接してきた読者が本書を読むと驚く。えっ、これが本…
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「今日のハチミツ、あしたの私」寺地はるな著
30歳のヒロイン碧が仕事をやめて、故郷に帰る恋人・安西についていく話である。彼には仕事がなく、何度勤めてもうまくいかず、故郷に戻って実家の仕事を手伝うと言うのだ。碧もいまの仕事に満足しているわけでも…
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「処刑の丘」ティモ・サンドベリ著、古市真由美訳
相変わらず北欧ミステリーの翻訳が続いているが、このブームのおかげでこれまで知らなかった作家、作品を読むことが出来るのは喜ばしい。本書もそういう一冊だ。 フィンランドのミステリーはレーナ・レヘ…
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「蘇我の娘の古事記」周防柳著
乙巳の変から壬申の乱までを描く古代史小説だ――と書くだけでは、古代史に関心のない人はふーんと思うだけだろう。ところが、これほど面白い小説はそうあるものではない。王位継承の争いが続く動乱の時代を、生き…
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「星をつける女」原宏一著
「食の格付け」を仕事にするヒロイン、牧村紗英が主人公の連作長編である。「食の格付け」とはいっても、フランスの有名なガイドブックとは関係がない。彼女の顧客は飲食ビジネスに投資したり買収したりする投資家た…
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「老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉」砂連尾理著
気鋭のダンサーである著者は、ベルリンで障害者との共同公演を行ったことをきっかけに、ダンスの持つ力とその意義を再認識。帰国後は京都府にある特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」で、ワークショップ…
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「ふんわり穴子天」坂井希久子著
この連作集に「居酒屋ぜんや」というシリーズ名がつけられているのは、床几が1つに小上がりがあるだけのこぢんまりとしたこの店を舞台に人情話が展開するからだ。となると、年の離れた亭主に死なれ、亭主の姉と一…