ベストセラー早読み
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「育休刑事(デカ)」似鳥鶏著
主人公は、男性刑事初の育児休暇を取得中の秋月春風巡査部長。職場復帰した妻にかわって、生後3カ月になる息子の蓮くんの世話に日々奮闘している。春風の姉は、蓮くん目当てで何かと春風のもとにやって来る。 …
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「凶犬の眼」柚月裕子著
主人公は、呉原東捜査2課から、田舎の駐在所に異動した日岡秀一。かつての上司・大上が暴力団の尾谷組に肩入れしていたことを憂慮した県警本部による左遷だったが、血で血を洗う抗争事件の現場から田んぼと畑を巡…
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「秘録・公安調査庁アンダーカバー」麻生幾著
公安調査庁の分析官・芳野綾、37歳。美しく、聡明で、負けず嫌い。潜水艦の模型に目がない軍事オタク。そんな綾に、現場の調査官から緊急の報告書が届いた。4日後、武装した海上民兵を乗せた90隻もの漁船が、…
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「おまじない」西加奈子著
「炎上する君」以来、8年ぶりの短編集。キーワードは「おじさん」と「魔法の言葉=おまじない」だ。 全8編の登場人物はいずれも訳ありの「女の子」(年齢はまちまち)で、さまざまな人生の転機に思い悩ん…
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「それまでの明日」原尞著
渡辺探偵事務所の沢崎のもとに、ある金融会社の新宿支店長・望月皓一と名乗る紳士がやってくるところから物語は始まる。 なんでも融資を頼まれている赤坂の料亭の女将の身辺調査をしてほしいというのだ。…
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「オリジン」(上・下)ダン・ブラウン著、越前敏弥訳
世界的ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」の作者による最新作。読者にはおなじみの宗教象徴学者ロバート・ラングドンが、人類最大の謎に迫る。ラングドンは、スペイン・ビルバオのグッゲンハイム美術館に招かれ…
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「炎と怒り トランプ政権の内幕」マイケル・ウォルフ著 関根光宏、藤田美菜子ほか訳
トランプ政権の内幕を暴いた本書が発売される直前、トランプ大統領は本の内容は間違いや偽の情報であふれているとして出版差し止めを要求。出版社は発売を前倒しするとともに、当初15万部を予定した発行部数を急…
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「幕末 暗殺!」谷津矢車、早見俊ほか著
慶応2年12月、天然痘で亡くなったとされる孝明天皇。突然の病死とあって、巷には毒を盛られたのではないかという噂が流れていた。 真実を何としても知りたいと考えたある青年将校は、真相を聞くべく外…
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「口笛の上手な白雪姫」小川洋子著
公衆浴場の脱衣場にあるベビーベッドの脇にはいつも小母さんがいて、赤ん坊を連れてやってきた母親が一人で入浴できるよう赤ん坊の世話をしてくれる。浴場の裏庭にある小母さんが住む小屋は、アーチの扉、赤レンガ…
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「ひよっこ社労士のヒナコ」水生大海著
元漫画家で推理作家の著者が社会保険労務士の世界を描いたお仕事小説である。 主人公の朝倉雛子は26歳、恋人なしの社労士。派遣社員として働いていたが、一念発起、3度の受験でついに合格。今は、新米…
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「おもかげ」浅田次郎著
定年退職した竹脇正一は、送別会からの帰路、花束を抱えたまま、乗り慣れた地下鉄丸ノ内線の車内で倒れた。病院の集中治療室に運ばれた竹脇は、瀕死で横たわる自分を横目に病院を抜け出し、ファンタスティックな異…
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「ノーマンズランド」誉田哲也著
主人公は、親しくなった人が次々と亡くなることから「捜査一課の死神」という異名をつけられている姫川玲子。7カ月前の「祖師谷二丁目母子三人強盗殺人事件」の捜査中に殉職した前統括主任・林のことがいまだ頭か…
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「オペレーションZ」真山仁著
新総理大臣の江島隆盛は、就任早々、総理公邸地下の談話室に、江島が主宰する勉強会に参加している若手財務官僚たちを招集した。国の借金が1000兆円を超えている現在、このまま何もせずにいたら近い将来、デフ…
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「院長選挙」久坂部羊著
国立大学病院最高峰に位置する天都大学医学部付属病院では、院長の宇津々が急死したため、新院長選挙が行われることになった。フリーライターの吉沢アスカは新院長の選挙を追いながら日本医療の縮図を描くノンフィ…
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「盤上の向日葵」柚月裕子著
埼玉県の山中で、死後3年が経過したと思われる推定年齢40~50代の男性の白骨死体が発見された。駒袋といわれる袋に入った将棋の駒が遺体の肋骨付近から見つかり、しかも、その駒が初代菊水月作による600万…
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「悩むなら、旅に出よ。」伊集院静著
旅先で出合った言葉は、五感を通して深く記憶に刻まれる。歳月を経ても、その土地の光や風、人の息遣いが蘇る。 定職もなく、酒に溺れていた若き日の著者に、海辺のホテルの支配人が言う。 「急ぐ…
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「AX(アックス)」伊坂幸太郎著
主人公は、普段は文房具メーカーに勤めるサラリーマンとしてごく普通に暮らしている殺し屋・兜。凄腕の殺し屋だったが、実は殺しの仕事よりも、予測不能な妻のご機嫌をうかがうことに何よりも神経を使って過ごして…
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「竜宮城と七夕さま」浅田次郎著
浦島太郎の話は謎だらけ。亀の背中で海の底に向かうとき、どうやって呼吸したのか。乙姫様との関係はどうだったのか。竜宮城ではどんなごちそうを食べたのか。まさかサシミではあるまい。 あるいは、雨の…
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「パーマネント神喜劇」万城目学著
物語の主人公は、とある神社にいる縁結びの神様。付き合っている女から見限られそうな男・篠崎肇のもとに、派手なシャツに吊りバンドをした中年男の姿で現れ、篠崎のある口癖を取り除く。すると不思議なことに性格…
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「あるかしら書店」ヨシタケシンスケ著
町はずれにある「あるかしら書店」は「本にまつわる本」の専門店。いろんなお客さんがやってきて、いろんな注文をする。 「なんか『ちょっとめずらしい本』って、あるかしら?」 「なんかこう『本に…