週末オススメ本ミシュラン
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「昭和史がわかるブックガイド」文春新書編/文春新書
コロナ禍で日本は危機に直面している。こういうときには過去の歴史から学ぶことが重要だ。本書は昭和史に関するブックガイドの決定版だ。21の論考が収録されている。 評者が最も有益と思った論考は、関…
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「10年後に食える仕事食えない仕事」渡邉正裕著/東洋経済新報社
急速に進展している人工知能やロボットの活用が、仕事をどのように変えるのかは、重要な課題だ。いまから5年前、野村総研が、いまある職業の49%が消えてなくなると発表したときには、世間に大きな衝撃が走った…
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「魂の痕」梁石日著/河出書房新社
梁石日はその文学活動を詩人として出発させた。梁の詩人の稟質は、光と闇のより広く深いコントラストを描く散文(小説)の世界に転じても消されることはなかった。オビに「『血と骨』と一対をなす、実の母親をモデ…
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「カイタイ新書 何度も『買いたい』仕組みのつくり方」博報堂ヒット習慣メーカーズ著・中川悠編著/秀和システム
インターネットが隆盛の時代、どうすればモノが売れるか、マーケティングの最先端はどうなっているのか? が分かる本である。マーケティング本についてはフィリップ・コトラー、ピーター・ドラッカー、トム・ピー…
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「もっと試験に出る哲学『入試問題』で東洋思想に入門する」斎藤哲也著/NHK出版新書
大学センター試験を通じて東洋思想を学ぶというユニークな作品だ。古代インド思想、仏教、儒教、道教はもとより、日本の尊皇攘夷思想や西田幾多郎の「無の哲学」の特徴をこの一冊で知ることが出来る。 斎…
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「岩井克人『欲望の貨幣論』を語る」丸山俊一著/東洋経済新報社
お金って何だろう。なぜ紙切れが価値を持っているのか。それは私が小学生のときに感じた疑問で経済に興味を持ち始めたきっかけだった。 本書は昨年NHK―BSで放送された「欲望の資本主義特別編・欲望…
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「国策不捜査『森友事件』の全貌」 籠池泰典+赤澤竜也著/文藝春秋
「日本を大事にしている愛国者をそのように安倍政権が陥れるのなら、この安倍政権は腐ったものです。園長は国のためを思ってやってるんだから、こんな時ほど内閣が切り捨てないで助けてくださったらえんじゃないです…
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「焼き鳥の丸かじり」東海林さだお著/文春文庫
「丸かじりシリーズ」文庫版の最新・第40弾だ。同シリーズはほぼすべて読んでおり、1967年に連載が開始された「新漫画文学全集」以後の著者の漫画もかなり読んできた。しかしここ数年、東海林氏の文章から離れ…
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「本屋を守れ 読書とは国力」藤原正彦著/PHP新書
数学者で作家の藤原正彦氏によるユニークな教養論だ。藤原氏は、アメリカニズムが日本の教養を破壊したと考える。 <戦後、アメリカ占領軍による言論統制(『閉ざされた言語空間』江藤淳著に詳説)により「…
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「鉄道について話した。」市川紗椰著/集英社
今年2月、JR浜松町駅で、ガンダムスタンプラリーのスタンプを押していたら、背中から声をかけられた。振り向くと、そこにはタレントの市川紗椰さんの顔があった。 思い出した。市川紗椰さんは、ガンダ…
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「検事の死命」柚月裕子著/角川文庫
いま、柚月裕子の小説にハマっている。「岩手県生まれで山形県在住」も山形県出身の私には一つのキッカケだったが、検事の「佐方貞人」という主人公の名前も私のサタカに似て気に入っている。しかし、それらはあく…
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「紳士と淑女のコロシアム『競技ダンス』へようこそ」二宮敦人著/新潮社/1650円+税
「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」著者による大学の競技ダンス部をめぐる小説だ。主人公・大船は二宮氏本人の分身ともいえるキャラのため、かなりの部分は同氏が経験したことだろう。 まえ…
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「定年消滅時代をどう生きるか」中原圭介著 講談社現代新書/2019年
評者は今年1月で還暦(60歳)になった。これからの60代、70代の生活に備えるための必読書だ。中原圭介氏は、今後の状況についてこう分析する。 <政府は65歳までの雇用を企業に義務づけている高年…
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「次の時代を先に生きる」髙坂勝著/ちくま文庫
本書の内容は、資本主義の徹底批判と新しいライフスタイルの提唱だ。それも、机上の空論ではなく、実際に著者が実践してきたことなので、とても説得力がある。 著者は、30歳のときに心を病んで、会社を…
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「汚れた桜」/毎日新聞「桜を見る会」取材班 毎日新聞出版
「桜を見る会」疑惑追及よりもっと大事な問題があるとか、いいかげんにしろと渋い顔をする人間には、創価学会名誉会長の池田大作を持ち上げる者が多い。なぜなら、「桜を見る会」の招待者には「首相枠」などの他に「…
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「体育会系 日本を蝕む病」サンドラ・ヘフェリン著 光文社新書/900円+税
日本社会がいかに異常かを日独ハーフで両国を知る著者の視点で書いたんだろうなぁ~、どんだけオレ、叩かれちゃうんだろう。なんて思う人もいるかと思うが、まさにそういう本である。著者は頭にハチマキを巻いて頑…
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「人生の地獄の乗り越え方ムネオを救った30の言葉」鈴木宗男著/宝島社/2020年
2002年に鈴木宗男氏(当時、衆議院議員)は、収賄容疑で「鬼の特捜」(東京地方検察庁特別捜査部)によって逮捕、起訴された。鈴木事件まで、「鬼の特捜」に逮捕されると政治生命に終止符を打たれた。しかし、…
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「百戦錬磨 セルリアンブルーのプロ経営者」ハロルド・ジョージ・メイ著
著者は、日本コカ・コーラ副社長、タカラトミー社長を経て、新日本プロレスの社長を務める「経営のプロフェッショナル」だ。 正直言うと、私は青い目の経営者が好きではない。会社の利益と自らの報酬を引…
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「評伝 西部邁」高澤秀次著/毎日新聞出版
安倍晋三、ドナルド・トランプ、竹中平蔵、桜井よしこ、百田尚樹、カルロス・ゴーン。 これは私が「幹事長 二階俊博の暗闘」(河出書房新社)の中で「現代悪人列伝」として挙げた人々の一部である。 …
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「2050年のメディア」下山進著/文藝春秋/1800円+税
ウェブメディアに従事する自分にとってはとにかく面白い本だった。戦国時代好きや三国志好きな人にとっても面白く感じられるかもしれない。とはいっても「2050年のメディア」というタイトルだけで「この本には…