本の森
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「左利きの歴史」ピエール=ミシェル・ベルトラン著 久保田剛史訳
「左利きの歴史」ピエール=ミシェル・ベルトラン著 久保田剛史訳 左利きの人の割合は約1割といわれている。かつては右利きに矯正することが多かったが、近年は無理な矯正はストレスがかかることなどから…
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「女らしさの神話」ベティ・フリーダン著 荻野美穂訳
「女らしさの神話」ベティ・フリーダン著 荻野美穂訳 1950年代末から60年代にかけて、「うちのママは世界一」や「パパは何でも知っている」といったアメリカのホームドラマが日本でも放映されていた…
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「博学者」ピーター・バーク著、井山弘幸訳
「博学者」ピーター・バーク著、井山弘幸訳 世の中には、なんでそんなことまで知っているのだろうと瞠目せずにはいられない物知りがいる。博識、博覧強記、博学多識、学識者、ゼネラリスト、生き字引(ウオ…
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「噓の真理」ジャン=リュック・ナンシー著 柿並良佑訳
「噓の真理」ジャン=リュック・ナンシー著 柿並良佑訳 今秋始まったテレビドラマ「嘘解きレトリック」は、人の嘘が聞き分けられる能力を持つ主人公と貧乏探偵とが事件を解決していくというもの。主人公は…
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「『ビックリハウス』と政治関心の戦後史」富永京子著
「『ビックリハウス』と政治関心の戦後史」富永京子著 日本人の政治関心への低さは世論調査などで指摘されるところで、とりわけ若者のそれはネガティブな文脈で語られることが多い。そして、その原因とされ…
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「女の氏名誕生」尾脇秀和著
「女の氏名誕生」尾脇秀和著 就任以来、朝令暮改的な発言が目立つ石破自民党総裁だが、選択的夫婦別姓問題もそのひとつ。総裁選では賛成姿勢を示していたが、就任後は「個人的な見解を申し上げることは差し…
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「陰陽師の平安時代」中島和歌子著
「陰陽師の平安時代」中島和歌子著 今年の4月に公開された映画「陰陽師0」は、安倍晴明生誕1100年を記念して晴明の青年時代を描いたもの。野村萬斎主演の「陰陽師」以来、広く名を知られるようになっ…
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「オリヴァー・サックス」オリヴァー・サックス著 田村浩二訳
「オリヴァー・サックス」オリヴァー・サックス著 田村浩二訳 オリヴァー・サックスの名前が日本で知られるようになったのは、映画「レナードの朝」の公開がきっかけだったろう。嗜眠性脳炎で眠り続けてい…
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「50万語を編む」松井栄一著、佐藤宏編
「50万語を編む」松井栄一著、佐藤宏編 日本初の近代的国語辞典、大槻文彦の「言海」が刊行されたのは150年ほど前。以来多くの国語辞典が作られてきたが、「大日本国語辞典」(1915-19)は収録…
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「エビデンスを嫌う人たち」リー・マッキンタイア著 西尾義人訳
「エビデンスを嫌う人たち」リー・マッキンタイア著 西尾義人訳 9月に入っても猛暑続きで地球温暖化を実感するこの頃だが、米国では気候変動という現象はデマであり、あったとしてもそれは「人類のせい」…
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「新装版 ペルーからきた私の娘」藤本和子著
「新装版 ペルーからきた私の娘」藤本和子著 藤本和子といえば「アメリカの鱒釣り」などのリチャード・ブローティガンの翻訳者としてよく知られているが、聞き書きの手法を生かしたエッセーの書き手として…
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「日本語と漢字」今野真二著
「日本語と漢字」今野真二著 サブタイトルに「正書法がないことばの歴史」とある。音声言語を文字化するときに文字化の仕方が1つしかなければ、その言語は正書法があるという。一方、英語のheartを心…
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「能力で人を分けなくなる日」最首悟著
「能力で人を分けなくなる日」最首悟著 最首悟は東京大学全学助手共闘会議に参加。その後、同大教養学部助手を27年間務める。1977年から水俣病の被害者や地域住民から話を聞く研究者集団「不知火海総…
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「あの素晴しい日々」加藤和彦、前田祥丈著 牧村憲一監修
「あの素晴しい日々」加藤和彦、前田祥丈著 牧村憲一監修 今年は“トノバン”こと加藤和彦が逝ってから15年。ドキュメンタリー映画「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」が上映され、6月のコンサー…
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「東洋医学はなぜ効くのか」山本高穂、大野智著
「東洋医学はなぜ効くのか」山本高穂、大野智著 今年2月に放映されたNHK BSプレミアム「フロンティア 東洋医学とは何か」で興味深い映像が紹介された。アルプスの氷河から発掘された5300年前の…
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「シャドウプレイ」ジョセフ・オコーナー著 栩木伸明訳
「シャドウプレイ」ジョセフ・オコーナー著 栩木伸明訳 吸血鬼小説の古典的名作「吸血鬼ドラキュラ」が世に出たのは、ビクトリア朝末期の1897年。作者は、ロンドンで劇場支配人を務める傍ら小説を書い…
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「『音』と『声』の社会史」坂田謙司著
「『音』と『声』の社会史」坂田謙司著 コロナ禍の緊急事態宣言のときに、外出が制限されたり多くの店が休業状態になり、それまで街にあふれていた日常的な音や声が消えてしまった。 その消失は、…
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「生と死を分ける翻訳」アンナ・アスラニアン著 小川浩一訳
「生と死を分ける翻訳」アンナ・アスラニアン著 小川浩一訳 多言語の音声アプリなど機械翻訳の需要が高まっている。日常会話程度なら問題ないが、少し踏み入った議論となるとなかなか難しい。互いの言語の…
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「声と文字の人類学」出口顯著
「声と文字の人類学」出口顯著 ユニセフがSDGsの目標に読み書き(と計算)ができることを掲げているように、現代社会では読み書き能力(リテラシー)に重きが置かれている。その一方で、口頭のみのコミ…
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「『大漢和辞典』の百年」池澤正晃著
「『大漢和辞典』の百年」池澤正晃著 収録漢字5万語、語彙数25万語という桁外れな規模の諸橋轍次著「大漢和辞典」全13巻が完結したのは1960年。版元の大修館書店の創業社長・鈴木一平と諸橋が出版…