感染症別 正しいクスリの使い方
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【口腔カンジダ】口の中の常在菌が原因 免疫力の低下をきっかけに発症
前回お話ししたアスペルギルス症と同じ真菌感染といえば、「カンジダ感染症」のほうが有名かもしれません。以前、当連載でも膣カンジダについては取り上げたことがあります。免疫力の低下などにより、膣内常在菌で…
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【アスペルギルス症】免疫力が低下した人では侵襲性の死亡率が50%を超える
九州北部~東海の各地で梅雨入りが発表され、関東甲信も間もなくでしょう。今回はジメジメした季節に発生しやすいカビ(真菌)による感染症についてお話しします。 ヒトに感染症を引き起こす真菌としては…
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【クロイツフェルト・ヤコブ病】有効な治療薬はなく半年以内で寝たきり状態に
異常なプリオンタンパクによって引き起こされる一群の病気を「プリオン病」と呼びます。前回、お話ししたいわゆる狂牛病=牛海綿状脳症(BSE)もそのひとつです。ヒトのプリオン病にはクロイツフェルト・ヤコブ…
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【牛海綿状脳症(BSE)】日本を震撼させた「狂牛病」のいま
感染症の原因として、これまで細菌やウイルスだけでなく真菌や寄生虫などについてもお話ししてきました。今回は、異常なプリオンタンパクによる病気(プリオン病)について取り上げます。 プリオン病は感…
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【麻疹】感染力が強く手洗いやマスクだけでは予防できない
「麻疹」とは一般的に「はしか」とも呼ばれ、麻疹ウイルスに感染することによって引き起こされる急性の全身感染症です。語源には、「芒(はしか・のぎ)」とする説があります。芒とは、稲や麦などイネ科植物の穂先の…
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【ニキビ】抗生物質を使う場合でもアクネ菌を全滅させるのは間違い
日頃から私たちが「ニキビ」と呼んでいる症状は、じつは「尋常性ざ瘡」という皮膚の病気です。ニキビの好発年齢は思春期以後で、成人では次第に減少していきます。女性ではしばしば中年過ぎまで見られますが、ニキ…
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【トコジラミ】駆虫薬への耐性を持った「スーパー南京虫」が増えている
ここ3回、続けてシラミについてお話ししてきましたが、今回はトコジラミを取り上げます。 ヒトに寄生・吸血するシラミは、アタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミの3種類です。じつはこのトコジラミは「…
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【コロモジラミ】感染症を媒介する危険 予防には入浴と洗濯が欠かせない
人に寄生する3種類のシラミについてのお話は、アタマジラミ、ケジラミに続き、残るは「コロモジラミ」です。 アタマジラミは主に子供の間でうつり、ケジラミは性感染症としてよく知られています。では、…
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【ケジラミ】完全な剃毛は難しいためピレスロイド系駆虫薬を使う
人に寄生するシラミは3種類います。前回のアタマジラミに続き、今回はケジラミについてお話しします。 アタマジラミは主に子供の間でうつるのに対し、ケジラミは性感染症として知られていて、主に性行為…
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【シラミ】薬に耐性があるタイプが増加 沖縄では97%が該当
年配の方は子供の頃、頭に粉薬を振りかけられたことを覚えている方もおられるのではないでしょうか。これはシラミを駆除するために行われていた対策です。 シラミはもともと「白虫」と書かれていた白色の…
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【ギラン・バレー症候群】食中毒の原因菌によるものが30%を占める
感染症の後に起こる「ギラン・バレー症候群」をご存じでしょうか。毎年10万人あたり1~2人の割合で発症するまれな病気で、男女を問わず、また世界のどの地域でも同程度の罹患率とされています。 ギラ…
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【日本脳炎】症状が現れた時点で脳細胞は破壊されている…予防が重要
「日本脳炎」は日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染します。以前は子供や高齢者に多くみられました。突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、意識障害やマヒなどの神経系の障害を引き起こす病気で、…
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【おたふく風邪】ワクチンの効果は高いが日本では定期接種が中止されている
「おたふく風邪」は、ムンプスウイルスに飛沫感染や接触感染することで引き起こされる病気です。感染力が強い疾患として知られており、「流行性耳下腺炎」とも呼ばれます。耳の下に位置する耳下腺(唾液を作る組織)…
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【ウエストナイルウイルス感染症】似たウイルスの抗体を利用した薬の研究が進んでいる
「ウエストナイル熱」や「ウエストナイル脳炎」という病名を聞いたことがあるでしょうか? ウエストナイル熱は、インフルエンザのような症状が表れる比較的軽症の病気です。ほとんどの患者さんは数日から1週間以内…
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【サル痘】天然痘ワクチンが有効なのは「交差免疫」のおかげ
今年に入って感染者がじわじわと増えているサル痘に対し、現時点では日本で一般的に広く使える治療薬はないと前回お話ししました。 では、ワクチンはどうでしょうか。国内でも素早く使えそうなものとして…
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【サル痘】18人感染確認…日本では一般的に広く使える治療薬はない
今月2日、東京都内の男性3人がサル痘に感染していることが発表されました。これで、国内では18人、2023年に入ってからは10人の感染が確認されたことになります。 サル痘は、1970年にザイー…
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【ヒトメタニューモウイルス感染症】10歳までにほぼ全員が1回は感染する
ヒトメタニューモウイルスは、小児を中心とした急性呼吸器感染症のウイルスのひとつです。1~3歳の幼児の間で流行するケースが多いのですが、大人にも感染します。 初感染は生後6カ月ごろから始まり、…
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【細菌性髄膜炎】免疫を抑制するステロイドを感染症に使うケースも
以前、副腎皮質ステロイドが含まれている薬は炎症を抑えるものの、免疫も抑制するため感染症にとっては良くないとお話ししました。しかし、必ずしも感染症にはNGというわけではありません。特に命に関わる重症感…
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【肺MAC症】結核と似た症状で抗菌薬を1年以上服用しなければいけないケースも
最近、「肺MAC症」という感染症が増加しているといわれています。マックといえば何を思い浮かべますでしょうか。アップルのコンピューターやハンバーガーチェーン店を連想する人が多いかもしれません。 …
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【帯状疱疹】ワクチンは発症を完全には防げないが症状が軽く済む
このところ、帯状疱疹ワクチンを希望される方が増えていて、説明をする機会も多くなっています。帯状疱疹については以前にもお話ししましたが、今回はワクチンを取り上げます。 帯状疱疹は日本人の3人に…