【肺MAC症】結核と似た症状で抗菌薬を1年以上服用しなければいけないケースも
最近、「肺MAC症」という感染症が増加しているといわれています。マックといえば何を思い浮かべますでしょうか。アップルのコンピューターやハンバーガーチェーン店を連想する人が多いかもしれません。
感染症領域におけるMACとは「Mycobacterium avium-intracellulare complex」の略で、結核菌と同じ抗酸菌グループの細菌を指します。西日本にはintracellulare菌が多く、東日本にはavium菌が多いといわれていますが、性状がよく似ているため一括してMACと呼ばれています。結核菌と同じ抗酸菌のグループだけど、結核菌ではない。ということで「非結核性抗酸菌」などとも呼ばれます。
この菌は環境中に存在していて、バスタブ、給湯やシャワーヘッドなどの入浴施設、庭園の土との接触が発症に関係しているとの報告が多くあります。そうした場所で、しぶきや霧状の水滴、土ぼこりなどが発生し、その中のMAC菌を肺に吸い込むことにより感染すると考えられています。結核菌とは異なり、ヒトからヒトへは感染しないので、この点は安心です。