「夏の陰」岩井圭也著

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 京都・亀岡市で運送会社のアルバイトドライバーとして働く30歳の倉内岳は、ある日、剣道の講習会で辰野という男に声をかけられ、逃げ帰ってしまう。

 15年前、岳の父・浅寄准吾は妻と岳へのDVの末、岳を人質にアパートに立てこもった。そして機動隊の一人を拳銃で射殺し、自分も自殺を図ったのだ。岳に声をかけてきたのは、亡くなった機動隊員の息子・和馬だった。

 卓越した剣道の腕を持ちながら大会にも出場せず、世間に隠れるように暮らしてきた岳だったが、病床にいる恩人の柴田から「大会に出ろ」と言われ、和馬との対峙を決心する。

 加害者と被害者の息子としてそれぞれ複雑な子ども時代を送った2人は、胴着を着て、ついに向かい合う――。

 気鋭の作家による社会派青春サスペンス。

(KADOKAWA 1500円+税)

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