「天狼」今野敏著
「天狼」今野敏著
東京湾臨海署の須田三郎巡査部長に、スナック「ちとせ」のマスターから相談がきた。見たことのない人物がやってきて、ミカジメ料を要求されたという。須田は安積剛志警部補と組織犯罪対策係の真島喜毅係長に相談して、見回りを強化してもらうことにする。後日、管内で傷害事件が発生した。もともとトラブルが少ない地域だったのに、事件が続発することに、須田はきな臭いものを感じた。
そして、交通機動隊の速水直樹小隊長が救急搬送されたという連絡が入る。安積が病院に行くと、速水は重傷だったが話はできた。元暴走族の篠崎恭司という男に呼び出され、邪魔をするなと言われたという。安積は篠崎が臨海署管内で何かをやろうとしていると考えた。
湾岸エリアを守る男たちを描く警察小説。 (角川春樹事務所 1980円)