(115)事件がまるで大昔の話のよう

「あれから、半年が経つんですね」
目の前に広がる新緑を眺めながら、睦代は昔話を語るように呟いた。
五月の連休も過ぎ、世の中はすっかり初夏の趣だ。新宿御苑に程近いカフェで、朝美はすすすっと抹茶ラテを啜った。そして、
「まるで大昔の話のようね」
二人の間…
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