著者のコラム一覧
片岡たまき

神奈川県平塚市出身。元RCサクセション・マネジャー兼衣装係。夫は「パスカルズ」のバンドマスター、ロケット・マツ氏。著書に「あの頃、忌野清志郎と」(宝島社)。

お決まりの「愛しあってるかい?」に込められた深い意味

公開日: 更新日:

 少なくとも、盛り上がる観客に向けた能天気な言葉でないことは確かなようだ。清志郎は晩年のライブ会場で「今も世界では戦争が続いている。世の中がどんどんおかしくなっている」といった類いの言葉を観客たちに投げかけ、「愛しあってるかい?」と続けたという。ジョン・レノンの「Love&Peace」と同じく、平和へのメッセージが込められていたのかもしれない。

「清志郎さんは、ステージ上では面白いコール&レスポンスをよくしていました。例えば、ステージ上から『イエ~イ!』と叫ぶと、観客も『イエ~イ!』と返す。それを、ふざけて『イエ~イって、イエ~(言え)』というのもそのひとつ。エスカレートして、『イエ~って、イエ~って、イエ~!』と、さらにくどいことになるんです(笑い)。ついには、『今日はどこから来たんだ?』とファンに問いかけ、『イエ~!!(家)』と言わせて両者とも楽しんでいました」

 清志郎は海外の影響を受けやすかったという。

「初のソロアルバムレコーディングでロンドンに渡ったときから、大の紅茶好きになりましたね。あと、『イギリス人のエンジニアたちは、ゲップは厳禁でもオナラはブーブーして、すました顔してるんだよ』って、小さいようで大きな文化の違いを笑って話してくれました。ライブの後の打ち上げの席では、最初はビール。ですが、ビールには2種類あって、スタッフがいつも『ボス、今日はツメビですか、ヌルビですか?』と尋ねていたものです。ツメビは冷たいビール、ヌルビは常温のビールのこと。『ロンドンではさ、ビールなんて冷やしちゃいない。それがおいしいんだよ』と得意げに言って、ぬるいビールを飲んでいましたっけ」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」