マトモな決着は期待薄!首脳会談で相対する米トランプと露プーチンの思惑…近づくウクライナ停戦交渉は“当事者抜き”
ウクライナ侵攻から丸3年が迫る中、停戦交渉が急加速している。ただし、NATO(北大西洋条約機構)加盟など、安全保障の確約を交渉条件とする当事者のゼレンスキー大統領は蚊帳の外。「就任から24時間以内に終わらせる」と豪語していた米国のトランプ大統領と、諸悪の根源であるロシアのプーチン大統領が主導する。早ければ今月下旬にも米ロ首脳会談が実施される見通しだが、マトモな決着は期待薄だ。
トランプとプーチンは12日の電話会談で和平交渉開始で合意。以降の動きは急ピッチだ。数日以内に両国と関係良好なサウジアラビアで米ロ高官による交渉が始まるという。
舞台が整ったところで、米ロトップが相対するという運びである。
急展開の要因のひとつは、ロシア財政の逼迫だ。長期にわたる経済制裁は何だかんだでこたえる上、軍事偏重に世論の不満がくすぶる。ロシア経済紙RBCによると、専門家は「原油価格が急落した場合、財政を支えられるのは半年未満だ」と指摘。原油相場は一時と比べて低迷している。
■プーチンの狙いは経済制裁の一斉解除