新型コロナウイルスは今でも危険? 感染後の死亡は3%近いとの論文が
一時は毎日のようにニュースを賑わした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ですが、最近ではあまりその名前を報道などで聞く機会はありません。むしろインフルエンザの感染拡大の方が、ニュースとなっています。確かにインフルエンザと比べると少ないのですが、実際には新型コロナも同時に流行が見られています。
パンデミックの時期には、インフルエンザより症状が重く、死亡率も高かった新型コロナウイルス感染症ですが、その後軽症化していると報告されています。
それでは、軽症化した新型コロナと、季節性インフルエンザのどちらの感染が、より重症になりやすいのでしょうか?
今年の米国医師会関連の医学誌に、冬に高齢者に流行するウイルス感染症の重症度を比較した論文が掲載されています。
対象はアメリカの退役軍人で、中高年の男性が主体です。2022年から23年の冬と、23年から24年の冬の、2つのシーズンを比較して検証したところ、新型コロナの軽症化が想定される23年から24年の時期でも、感染後に死亡するリスクは、インフルエンザより新型コロナの方が高くなっていました。具体的には3%近い人が新型コロナ感染の後で死亡していたのです。
軽症の患者さんが多く、今では普通の風邪のように捉えられがちの新型コロナウイルス感染症ですが、中高年はその重症化にまだ注意する必要がありそうです。