伊調馨が代表コーチ就任…それでも消えない「現役復帰」のウワサ
女子では史上初の五輪4連覇を成し遂げたレスリングの伊調馨(37)が指導者として代表復帰を果たした。
日本レスリング協会は19日に伊調が女子ナショナルチームのアントラージュコーチに就任すると発表。「アントラージュ」とはアスリートがパフォーマンスを最大限に発揮できる環境整備を意味し、伊調は女子選手のメンタル面、技術面でのサポート役を担う。五輪、世界選手権合わせて14個の金メダルを獲得した豊富な経験、攻守にわたる巧みなテクニックを惜しみなく伝授するとみられる。
伊調は「霊長類最強の女」の異名を持つ吉田沙保里(39)とともに女子レスリングを牽引。東京五輪では着物姿でメダルのプレゼンターを務めるなど、今や女子レスリングのレジェンド級の扱いを受けている。多くの若手レスラーからは尊敬のまなざしを送られているが、今後、代表入りする選手にとっては伊調が最大の壁になるかもしれない。
2019年の川井梨紗子(東京五輪金)とのプレーオフで敗れたのを最後に実戦から遠ざかっているが、伊調は依然として引退を表明していない。現在は日体大で女子のコーチを務めており、日頃は現役の学生に交じって汗を流すなど、全盛期ほどではないにしろ、トレーニングを欠かさない。タックルなど技の切れは鋭く、20歳前後の教え子が相手でも決して引けを取らない。クイーンズカップや社会人選手権にいずれかの階級でエントリーして結果を残せば、日本代表選考会を兼ねた全日本選手権などへの出場は可能だ。当然、国内選考を勝ち抜けば、16年リオ五輪以来の代表復帰も見えてくる。