ベストセラー早読み
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「利休の闇」加藤廣著
秀吉はなぜ利休に切腹を命じたのか? 野上弥生子の「秀吉と利休」から山本兼一の「利休にたずねよ」に至るまで、あまたの作家がその謎に迫ってきたが、「信長の棺」で本能寺の変に関して大胆かつ斬新な視点を打ち…
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「千日のマリア」小池真理子著
短編の名手として知られる著者が、9年の歳月をかけてつづった珠玉の最新短編集。収録されているのは、「過ぎし者の標」「つづれ織り」「落花生を食べる女」「修羅のあとさき」「常夜」「テンと月」「千日のマリア…
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「メガバンク絶滅戦争」波多野聖著
物語の舞台は、東西帝都EFJ銀行。帝都グループの要である帝都銀行、外国為替専門の国策銀行を出自とした東西銀行、関西を地盤に全国展開していた大栄銀行と中部地方を基盤とする中京銀行が合併して出来たEFJ…
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「精鋭」今野敏著
新人警察官、柿田亮は交番勤務。酔っぱらい、風営法違反の店、捨て猫、痴漢などへの対応に悪戦苦闘している。大学時代、ラグビー部で鍛えた体育会系。市民とかかわる中で、法律と社会常識、警察官の義務と個人の感…
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「雨に泣いてる」真山仁著
2011年3月11日、都内にいた毎朝新聞の記者・大嶽は、未曽有の災害が発生したことを直感する。駆け出し時代に体験した阪神・淡路大震災での失敗が心の傷として残っていて、現地での取材にこだわり、妻の反対…
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「悲嘆の門」(上・下) 宮部みゆき著
物語の主人公はネット監視会社でサイバー・パトロールのアルバイトをする大学1年生・三島孝太郎。サイバー・パトロールとは、ネット上に存在する犯罪に結びつきそうな書き込みを発見する仕事なのだが、大学生活に…
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「愛される資格」樋口毅宏著
大手文具メーカー「あねちけ」に勤める富岡兼吾は33歳、バツイチ。仕事に情熱が持てず、かといって特別な才能もなく、人生に倦んでいる。おまけに、体育会系のこわもて上司、下永とそりが合わず、鬱憤がたまりに…
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「新・戦争論」池上彰・佐藤優著
ベルリンの壁の崩壊とソ連の解体によって冷戦が終結したとき、これで20世紀を覆った「戦争」も終息に向かうのではないかと期待が寄せられた。しかし現実は、旧ユーゴスラビアの内戦、アメリカ同時多発テロ、………
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「キャプテン サンダーボルト」阿部和重&伊坂幸太郎著
物語は、ホテルのドアマンをしている田中徹が、小中からの同級生で少年野球仲間だった相葉時之と仕事中に再会するところから始まる。相葉は詐欺に遭った友人のため、アタッシェケースを持った男に部屋番号を書いた…
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「池田屋乱刃」伊東潤著
元治元(1864)年6月5日、京都三条の旅館・池田屋に長州藩・土佐藩等の尊攘派志士二十数人が集まっていた。長州藩の陰の外交を担っていた枡屋こと古高俊太郎捕縛の報を受け、古高奪還の協議をしていたのだ。…
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「売国」真山仁著
物語の主人公は父親の遺志を継いで宇宙ロケット開発の夢に挑む八反田遥と、東京地方検察庁公判部の検察官・冨永真一とのふたり。 宇宙航空研究センターのエース・寺島光太郎のもとで研究ができるようにな…
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「街場の戦争論」内田樹著
「僕たちが今いるのは、二つの戦争つまり『負けた戦争』と『これから起こる次の戦争』にはさまれた戦争間期ではないか」 そんな著者の皮膚感覚が、この本の土台にある。前の戦争で失ったものを問い直すこと…
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「自覚 隠蔽捜査5.5」今野敏著
今年の1~3月連続TVドラマ化された人気シリーズの最新第7作。5.5とあるように、シリーズ本編ではなくスピンオフの短編集。本編の主人公・竜崎伸也は元警察庁長官官房総務課課長。キャリアの出世コースを歩…
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「私の『情報分析術』超入門」佐藤優著
新聞、テレビ、インターネットなどから24時間流れてくる玉石混交の情報から、自分に有益な情報を探して、分析し、生かしていく「情報分析力」は、いまやビジネスマンにとって不可欠だ。 本書は、元外務…
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「笹の舟で海をわたる」角田光代著
朝鮮戦争の好景気に活気づく東京・銀座のデパートで、勤め帰りの左織は、同年代の見知らぬ若い女性に声をかけられる。風美子と名乗る女性は、戦時中、いじめが横行した学童疎開先で、左織に優しくしてもらったのだ…
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「アイネクライネナハトムジーク」伊坂幸太郎著
小さな波紋は、コンピューターのシステム管理者が妻に逃げられたことから始まった。ショックに陥った管理者は思わず机を蹴飛ばし、その勢いで棚が倒れてハードディスクが破損。驚いた後輩社員が手にしていた缶コー…
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「フォルトゥナの瞳」百田尚樹著
主人公は、幼い頃に両親と妹を亡くし、孤独に生きてきた木山慎一郎。中学卒業後勤めていた工場が倒産し、フリーター生活を続けていたところ、車を磨くコーティング会社の社長に拾われる。結婚もせず恋人をつくるこ…
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「阿蘭陀西鶴」朝井まかて著
「好色一代男」「好色五人女」などの浮世草子で知られる井原西鶴には、盲目の娘、おあいがいた。目が見えなくても、目明きと何ら変わらない。とりわけ台所仕事は人並み以上。若くして世を去った母が、幼いころから手…
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「後妻業」黒川博行著
91歳になる中瀬耕造は、結婚相談所で知り合った22歳下の小夜子と同居していた。耕造は結婚を望んだが小夜子は籍を入れるのを固辞、内縁の妻に納まった。その耕造が脳梗塞で倒れた。父の危篤の知らせを受け駆け…
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「トワイライト・シャッフル」乙川優三郎著
時代小説の分野で、時代小説大賞、山本周五郎賞、直木賞を総なめにし、昨年初めて挑んだ現代小説「脊梁山脈」で大佛次郎賞を受賞した著者による現代小説第2弾。美しい海と砂浜のある房総半島の町を舞台に、思い通…