白人ではなく中国人が見る日本が重要

公開日: 更新日:

「本当は気が小さい中国人」小学館SAPIO編集部・編

 今年の流行語大賞を獲得した言葉の一つが「爆買い」である。中国人観光客が大量に家電量販店やブランドショップで買い物をすることを指し、今年の春節以降、観光シーズンになるとテレビは飽きることなくこの風景を流し続けた。

 こういった文脈の場合、テレビの出演者は若干の呆れ顔をしつつも、「これで経済が潤ってありがたい……」といった展開がこの後に続く。しかし、この爆買い現象は同時に日本人にとってはバブル期にアメリカの不動産を買いまくっては顰蹙を買った時代との落差を思い知らされ、自信を喪失させる結果ももたらす。

 本書は井沢元彦氏、櫻井よしこ氏、三橋貴明氏ら保守派の論客に加え、中国通(及び中国在住)のジャーナリストら14人による中国がどんな国であるかの解説書であり、我々はどう付き合っていけばいいのかを説く本である。

 昨今、自信満々に先進諸国や国際会議で演説する習近平国家主席の姿を見るにつけ、習体制が盤石なものに思えてしまうこともあるだろう。だが、実際は暗殺計画があった話などもまぶされ、決して中国が一枚岩ではないことや、彼らの「反日」的な言動も国内をまとめあげるために必要なことであることを理解できる。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方